新規事業で役立つフレームワーク5選!メリット・立ち上げプロセスも解説

新規事業を立ち上げる上で、フレームワークが気になっているという方も多いのではないでしょうか。

目まぐるしい変化を遂げるビジネスシーンにおいて、スピード感を持った新規事業の立ち上げは重要なポイント。

フレームワークは、いまや多くの企業で活用されている手法で、新規事業でも大きな効果が期待できます。

今回は、フレームワークの概要やメリットを解説すると共に、新規事業で役立つ5つのフレームワークもご紹介します。

関連記事:新規事業のネタが見つからない人のために!アイディアを生み出し成功に導く方法

1.新規事業のフレームワークとは?

そもそもフレームワークとは、課題の抽出や戦略立案、意思決定をサポートするための手法や枠組みのことです。

特に「90%の確率で失敗する」とも言われている新規事業においては、事業計画の確度がその事業の成功を左右すると言っても過言ではありません。

しかし、事業計画の段階であまり多くの時間を消費してしまうと、競合他社に先を越されるといった事態を招く恐れもあります。

そのため、効率的に事業計画を立て、顧客ニーズに合致したプロダクトをなるべく早く提供するスピード感が、新規事業における生命線とも言えるでしょう。

フレームワークは、これまで多くのコンサルタントや研究者がブラッシュアップしながら確立してきた分析手法です。それにより、パターン化された分析シートに条件を当てはめることで、効率的に最適解へとたどり着ける仕様になっています。

また、フレームワークには市場調査や分析に適した「VRIO分析」や、アイディア出しに活用できる「リーンキャンバス」など、多くの種類があります。

それぞれのビジネスシーンや解決すべき課題に応じて適切な種類を選ぶことで、新規事業の立ち上げをスムーズに実行できるでしょう。

2.新規事業でフレームワークを活用する3つのメリット

それでは、新規事業でフレームワークを活用することには、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。以下、3つの項目でそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

2-1.メリット①事業目標を明確化できる

まずフレームワークの大きなメリットの一つが、事業目標を明確化できる点です。

なぜなら、フレームワークを活用することで、顧客ニーズや市場調査など、セクションごとの課題や分析ポイントを論理的に整理できるためです。

フレームワークの構造に沿って整理することによって、主観的な分析ではなく客観的な分析が可能となり、新規事業における目標を明確に把握できるようになるでしょう。

また、フレームワークを使うことで視覚的にも整理された状態となるため、メンバー間での共有も迅速に行なえます。

2-2.メリット②メンバー間のコミュニケーションを活発化できる

フレームワークを活用することで、メンバー間のコミュニケーションを活性化させることも可能です。

1つの画面にアクションプランや戦略をまとめたフレームワークを提示することで、取り組むべき課題を明確に共有できるため、より発展性のある会議やミーティングを行なえます。

例えば、アイディア出しに使える「リーンキャンバス」というフレームワークでは、ビジネスアイディアを9つの要素に分けて、整理することが可能です。

書き出したそれぞれの要素ごとに、深掘りしながら内容を精査できるため、メンバー間での有意義なコミュニケーションを実現できるでしょう。

2-3.メリット③時間と労力を短縮できる

フレームワークは、先人の成功パターンを落とし込んだ分析手法や枠組みであるため、うまく活用することで時間と労力を短縮できます。

事業戦略を考える際も、全くの白紙からスタートさせる手探りの状態では、非常に多くの時間を要します。

しかし、フレームワークを使えば、あらかじめ完成している「型」に新規事業の要素や条件を当てはめられるため、時間を短縮できる上、効率もアップできます。

競合他社よりも先に市場シェアを確保するためにも、スピード感のある対応は重要です。

関連記事:新規事業開発を成功に導く2つの手法リーン開発・アジャイル開発とは? 

3.【用途別】新規事業で役立つフレームワーク5選

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フレームワークを活用するメリットを把握したところで、実際に新規事業で活用できる5つのフレームワークについて見ていきましょう。

市場調査・分析、サービス構築など、各セクションで利用できるフレームワークの特徴をそれぞれ解説しますので、ぜひお役立てください。

3-1.【市場調査・分析】VRIO分析

1991年に生まれたVRIO分析は、ヒト・モノ・カネなどの観点から、自社の経営資源を測れるフレームワークです。

なお、VRIOという言葉は以下4つの要素の頭文字が由来です。

・Value(経済的な価値):外部環境に適応できる社内リソースがあるか

・Rareness(希少性):新規事業のプロダクトやサービスに希少性があるか

・Imitability(模倣可能性):競合他社にビジネスを模様されないか

・Organization(組織):経営資源を活かせる組織体制やフローが構築できているか

VRIO分析では、上記4つの要素を順に当てはめていきます。

つまり、経済的な価値と希少性のあるプロダクトやサービスが、他社から模倣されづらい上、組織として実行可能であれば、新規事業が成功する可能性が高いと判断できます。

このVRIO分析は、トヨタ自動車やユニクロなどの大手企業でも活用されているフレームワークです。

例えば、世界的にも有名な「トヨタ生産方式」は、VRIO分析で言うところの“模倣可能性”に該当し、競合他社が簡単に真似することはできません。

3-2.【アイディア出し】リーンキャンバス

リーンキャンバスでは、「顧客セグメント」や「課題」など、9つの要素からビジネスアイディアを整理できます。

1枚の紙面上で、新規事業で提供するプロダクトやサービスの本質的な価値を、俯瞰的に確認できるのもポイントです。

リーンキャンバスの大本となるフレームワークに、ビジネスキャンバスがあります。ビジネスキャンバスにおいても、9つの要素の相互関係からビジネスアイディアを整理するという点は、リーンキャンバスと共通しています。

ただし、ビジネスキャンバスが既存事業における分析・立ち上げなどに適している一方、リーンキャンバスは、新規事業やスタートアップ企業における分析・立ち上げに適している点で違いがあります。

そのため、新規事業で活用するフレームワークとしては、リーンキャンバスがより適していると言えるのです。

また、「新規事業は90%の確率で失敗する」と言われていることは先ほどもお伝えしましたが、その理由として多いのは「提供した商品・サービスが、顧客ニーズと合っていなかった」というものです。

アイディア出しの段階で、顧客のニーズに合うものと合わないものをしっかりと精査しておくことで、新規事業における成功確度を高められます。

3-3.【サービス構築】4P分析/4C分析

まず4P分析とは、「製品」「価格」「流通」「販促」と4つの要素から成り立つフレームワークで、4つの”P”はそれぞれ以下の意味を持っています。

・製品(Product):企業に利益をもたらすプロダクトやサービス

・価格(Price):市場における販売価格・マージンの設定

・流通(Place):流通経路やチャネル戦略

・販促(Promotion):広告やイベント

4P分析は、新規事業において売り出す製品の価値を最大化させるため、”企業側の視点”から方策を決める際に有効なフレームワークです。自社の強みと課題を洗い出すために活用し、戦略を練ることが可能となります。

一方、4C分析は”顧客側の視点”で分析できるフレームワークです。4C分析を構成する4つの要素は以下です。

・顧客価値(Customer Value):顧客にとっての価値・メリット

・顧客負担(Customer Cost):顧客が負担する費用・時間

・利便性(Convenience):入手方法・手順の利便性

・コミュニケーション(Communication):顧客に知らせる手段

一つの事例として、フィットネス事業を展開しているRIZAPにおいても、4P分析/4C分析のフレームワークを使った分析は当てはまります。

例えば、RIZAPのテレビCM出演者の肉体改造のビフォーアフターは、4C分析における「コミュニケーション」に該当します。インパクトのあるマス広告で、広く世間に浸透しました。

このように、フレームワークに当てはめていくことで、自社の強みや広告展開を論理的に整理できます。

3-4.【顧客分析】ジョブ理論

ジョブ理論は、「顧客の本質的なニーズ」を探るために活用できるフレームワークで、もともとはハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授が提唱しました。

ジョブ理論における”ジョブ”とは、ユーザーにとっての「成し遂げたい進歩」を指しています。

つまり、「ユーザーは自身が目的とする状態に近づくために、特定のプロダクトやサービスを購入する」と定義できるのです。

ジョブ理論のフレームワークを活用することで、企業側が考えるニーズとユーザーのニーズのズレを解消し、本質的なユーザーニーズの把握が見込めます。

3-5.【修正・改善】プロダクトライフサイクル

プロダクトライフサイクル(PLC)は、製品を市場に投下した後の売上の変化を、4つの段階で分析するフレームワークです。

それぞれのステージはS字の曲線で表され、現在の事業の見直しに活用できるほか、今後の新規事業戦略の検討材料にもなります。

・導入期:新プロダクト・サービスを市場に投入した直後で、需要も売上もあまり高くない

・成長期:市場における売上と利益が上昇し、競合他社も増えてくる

・成熟期:市場成長が頭打ちとなり、市場シェアの維持に努める企業が増加

・衰退期:プロダクト・サービスの需要が減少し、売上や利益も減ってくる

特に、修正・改善のプロセスで重要なポイントとなるのは、「成長期」で自社のブランド力を高めることです。

なぜかというと、「成熟期」の段階では市場規模そのものが頭打ちとなっており、多くの企業が現状の市場シェアの維持に努めるためです。

そのため、「成長期」で競合他社との差別化を図ることで、自社のプロダクト・サービスを市場に浸透させ、シェアの拡大を狙うことも可能となります。

関連記事:事業開発で活用したいフレームワークとは?用途別フレームワーク17選 

4.新規事業を成功に導く6つのプロセスとは

新規事業を成功に導くためには、どのようなプロセスをたどると良いのでしょうか。6つのプロセスの流れについて、以下で確認してみましょう。

No.プロセス名内容
1市場ニーズの調査・分析市場におけるニーズや成長性を調査・分析する
2事業ドメインの決定新規事業を展開する領域を決める
3ビジネスプランの検討事業性と市場性の2つの観点から検討する
4開発環境の整備ヒト・モノ・カネなど、新規事業で必要な環境を整える
5行動計画の策定KPI(目標)を定めた上で、具体的な行動計画を策定する
6リリース後の改善・修正新しい商品・サービスをリリース後も、ユーザーからのフィードバックをもとに改善・修正を継続する 

上記のうち、特に重要なのは、1つ目のプロセスである「市場ニーズの調査・分析」です。

なぜなら、生み出したプロダクトやサービスがいくら素晴らしいものでも、顧客ニーズと乖離していた場合、市場に浸透する可能性が低く、事業成長も見込めないためです。

”新規事業を成功させる=失敗する確率を減らす”ためにも、市場ニーズの調査・分析は重要なポイントと言えます。

DeFactoryでは、経験豊富なエンジニアと事業開発者を有しているため、新規事業立ち上げから開発まで伴走可能です。

また、これまでの豊富なプロダクト開発の経験を活かし、ユーザーヒアリングを徹底。顧客ニーズと合致した新規事業を立ち上げたいという方は、ぜひお任せください。

5.まとめ:「新規事業」に関する支援を承ります

フレームワークは、課題の抽出や戦略立案をサポートしてくれる”型”です。

新規事業においては、フレームワークを活用することによって、課題や戦略をパターンに当てはめて論理的に整理できるようになります。

市場調査・分析に使えるVRIO分析や、サービス構築に活用できる4P分析/4C分析など、フレームワークの種類はプロセスごとに豊富にあります。

今回ご紹介したフレームワークやプロセスを参考にしながら、新規事業立ち上げをスムーズに実行しましょう。

DeFactoryでは、アイディア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、プロダクト開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。

また、経験豊富なエンジニアと事業開発経験者で、開発だけでなく事業設計から「一気通貫」した伴走を行ないます。

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この記事を書いた人
DeFactory代表取締役 事業開発、デジタルマーケティング(検索領域)、グロースハックが得意領域です。 事業の壁打ちのご相談お受けしております!

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