アジャイル開発という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
アジャイルとは「素早い」「機敏な」という意味で、これまでの開発手法と比較して、短い期間でテストを繰り返して、スピード重視で開発していくことから名づけられました。
近年、目まぐるしく変化するエンジニア開発の現場では、今まで以上に短納期が求められたり、全体の機能設計を済ませてから機能を実装するため、どうしても時間がかかってしまうケースがあります。
そこで注目されているのが「アジャイル開発」で、ローンチまでの期間短縮であったり、細かい仕様変更にも対応できるため、採用例が増えてきています。
今回は、これからアジャイル開発を検討している担当者様向けに、アジャイル開発のメリットと成功事例をお伝えします。
アジャイル開発では、一定の期間で短期目標を作り、実行、分析、改善を高速で行い、機能単位の小さいサイクルで繰り返します。
通常プロダクト開発を行なう際は、初期段階で細部まで決めた後に、大きなサイクルを回しながら進めるため、後戻りを想定していなかったり、急な仕様変更に対応しづらいケースが多いです。
しかしながら、アジャイル開発では、テストを含んだ動作をトライ&エラーで繰り返して、プロダクト全体をブラッシュアップさせながら、徐々に100%に近づけていきます。
ここでは、具体的なPDCAの流れを見ていきましょう。一般的にはPDCAのサイクルを1週間から1か月のスパンで、どんどん機能を追加&改善していきます。
アジャイル開発では、最初の段階で開発内容やスケジュールをあえて厳密には定めず、流動的にできるようにしておきます。
顧客の要望を確認し、最低限の要件定義ができれば、見積書を含めた仕様書を作成し、問題がなければすぐに開発に取りかかります。
Defactoryであれば、ご相談者の事業構想状況によっては最短5営業日で計画(要件定義)を終える場合もあります。現状分析やゴール設定を行ない、質とスピードどちらも担保させた計画を作ります。
各機能に優先順位を付けて開発を進めていきます。優先順位の付け方として「ユーザーストーリー形式」が採用されるケースが多いです。
ユーザーストーリー形式とは、「ペルソナ」「機能」「付加価値」などによって表現されます。例えば「ECサイトにおいて40歳女性ユーザーが自分に合った商品を簡単に見つけることができる」というストーリーを作った場合、
・会員登録が簡単にできる
・ログインするまでの手続きが分かりやすい
・自分に合った商品が検索しやすい
・購入後定期的に案内メールを送る
上記のような項目を洗い出し、開発順序を決めていきます。この際、ユーザーペルソナの行動を時系列で示し、必要な機能を試行錯誤しながら開発していきます。
アジャイル開発では、小さな機能が1つ完成した時点で、その機能が顧客のニーズにマッチしているか確認し、マッチしていなければ仕様変更を繰り返し行いながら、ユーザーのニーズを満たすものを作っていきます。
ユーザーに真の価値をもたらす成果を素早く出すためには「コミュニケーション」が何よりも大事です。
アジャイル開発の場合、プロダクトがすべて完成した後にフィードバックを行うのでなく、出来上がった機能から確認してフィードバックを行います。
コミュニケーションの取り方はいくつかあり、対面・電話・チャット・メールなどがあります。最も効果的なのは、「対面」でメンバー全員とユーザーが集まって、フィードバックなどの情報共有を行うことで、よりインパクトの大きい改善ポイントを発見します。
また、PDCAを高速で回すためにはクライアントの協力が必要不可欠です。事業者に依頼するときは、事前に協力を得られるように密にコミュニケーションを取っておきます。
最後にユーザーからもらったフィードバックをもとに随時改善を行ないます。
プロダクトの方向性に対して、即座にユーザーのニーズを反映させることができるので、細かく軌道修正を行なうことができます。
また、改善するスピードが早いため、手戻りが少なく、納期やコストを抑えながら開発を行うことができます。
DeFactoryであればここまでの一連の流れを「6~10営業日程度」で行なえるため、より早くプロダクトを作ることができるでしょう。
ここまででPDCAのサイクルを回す中でアジャイル開発についてお伝えしましたが、以下のような特徴があると言えるでしょう。
・プロダクト開発までの所要時間の短縮
・要件定義に余白を持たせることができる
・ユーザー満足度を最大限に高めやすい
・修正のためのコストを抑えることができる
以上のことから、アジャイル開発に向いているのは、開発の途中で仕様の変更や追加が予想されるプロダクトになると言えるでしょう。
次の章では、アジャイル開発のメリットを生かした具体的な成功事例について見ていきましょう。
関連記事:【初心者向け】アジャイル開発の3つのプロセス手法とは?
ここではアジャイル開発のメリットを生かした成功事例を「キャッシュレス・タクシーサービス・システム統合」の観点から3つ紹介します。
ちなみにアジャイル開発に向いているプロダクトの代表例は、スマホアプリ、EC、ゲームなどのように新しいサービスが開発されたり、改善までのサイクルが早いものだと言われています。
とある地方銀行では、地域でのキャッシュレス決済を進めるために、銀行専用のアプリ開発プロジェクトが動いていました。
銀行内ではスマホアプリの開発を行なうための体制が構築されておらず、こまめにコミュニケーションがとれるベンダーを探していました。
また、商業施設のオープンに合わせてアプリをローンチしたかったため、納期遅れが許されない状況下での開発となりました。
依頼を受けたベンダーは、プロジェクトマネージャーとエンジニアを中心に、銀行と協力しながら、「設計→実装→テスト→リリース」までのPDCAを高速で行なえる体制を構築しました。
開発過程において、銀行内のエンジニアに対してアプリ開発の勉強会を実施したり、ユーザーに必要な機能を何度もテストなどを行いました。
結果として、商業施設のオープンに合わせてアプリをローンチすることができ、多くのユーザーに利用していただくことができたようです。
このように短い期間で繰り返しテストを行うようなアプリ開発を行う場合は、アジャイル開発が向いているといえるでしょう。
タクシー業界では、2019年10月に事前確定運賃サービスが始まるため、配車アプリへの対応が急務になっていました。
事前確定運賃サービスとは、ユーザーが配車アプリで、乗車予定地と目的地を入力すると自動で運賃が計算され、その運賃でタクシーが利用できる仕組みのことです。このサービスを加えることで、ユーザーが知らない間に高額な請求にならないようになります。
ベンダーでは、クライアントの開発部隊とチームを組み、ユーザーが使いやすいようなインターフェイスの構築、アーキテクチャの改修などを行ない、短期間でアプリやソフトウェアを作り上げました。
アプリに細かな機能を追加する際は、アジャイル開発のように仕様に余白を持たせるような体制が構築できるので、途中に変更があった際も対応しやすいといえるでしょう。
ある会社では、複数の会社を買収した結果、会社間の情報共有が上手くいかず、システムの開発に支障をきたすという自体になっていました。
そこで、会社ではシステムの統合を目指すために、100名以上の従業員が関わるプロジェクトを、7名前後のチームに分割し、優先度の高いタスクから分け、1か月程度の納期で終わらせていくようにしました。
複数のチームで同じ期間のリズムで開発を行うことで、全チームを統合的に管理することができ、適宜電話会議を通じて、コミュニケーションをとり、プロジェクトを成功させました。
このプロジェクトをウォーターフォール開発で行っていた場合、細かな仕様変更に対応できなかった可能性がるため、納期が遅れたり、品質に差が出てしまったかもしれません。
今回は、アジャイル開発におけるメリットと成功事例をお伝えしました。
もう一度アジャイル開発のメリットを確認すると、
・高速でPDCAが回しやすい
・プロダクト開発までの所要時間の短縮
・要件定義に余白を持たせることができる
などが挙げられます。実際に社内でアジャイル開発を行う場合は、複数の小規模チームを組んだり、それらを包括的に管理する必要が出てきます。
そんなときは、外部のベンダーに依頼するのも一つの手です。
DeFactoryでは、アイディア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、プロダクト開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。
また、経験豊富なエンジニアと事業開発経験者で、開発だけでなく事業設計から「一気通貫」した伴走を行ないます。
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