2024年版のSES企業ランキングを、大手企業とベンチャー企業に分けて解説します。
SES業界は、エンジニアがクライアント先で技術提供を行う形態が一般的で、近年注目を集めています。しかし、SES企業にはブラック企業も存在し、年収や福利厚生に差があるのが実情です。
本記事では、SES企業の仕事内容やSES・SI・SEの違い、企業選びのポイント、そしてブラック企業の見極め方などを詳しく解説。地域ごとの開発案件の特徴や転職対策にも触れ、より良いキャリアを選択できるでしょう。
SES企業は、システム開発における重要な役割を担い、IT業界で幅広く活躍する企業形態の一つです。近年、デジタル化やDXの進展に伴い、SES企業の存在感が増しており、多くの企業がSESを利用して技術的な課題を解決しています。
ここでは、SES企業の概要や仕事内容、SI企業やSEとの違いを詳しく解説します。
SES企業は、システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)の略称で、エンジニアをクライアント先に派遣し、システム開発や運用保守を提供する企業を指します。
SESでは、クライアント企業が必要とする技術力(エンジニア)を、特定の期間やプロジェクト単位で提供するのが特徴です。
昨今のIT市場においては、企業のデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)に伴い、エンジニアの需要が急増しており、SES企業の役割が一層重要になっています。
SES企業における仕事内容は多岐にわたります。主な職種としては、システムエンジニア(SE)、プログラマー、ネットワークエンジニア、インフラエンジニアなどです。
これらのエンジニアはクライアント企業の要望に応じて、システム開発や運用、インフラ構築などのプロジェクトに参画します。
業務内容としては、要件定義、設計、コーディング、テスト、運用保守が一般的です。エンジニアはクライアント先に常駐することが多く、案件ごとに異なる技術や環境に適応しながら業務を遂行します。
雇用形態は正社員の他、契約社員やフリーランスの形態も増えており、現代では多様な働き方が広がっています。
SESとSI、そしてSEという3つの用語は、IT業界においてしばしば混同されることがありますが、それぞれ異なる意味を持ちます。
SESは、エンジニアをクライアント先に派遣してサービスを提供する形態です。契約形態は準委任契約が多く、エンジニアがクライアントの指揮命令を受けながら業務を遂行します。
そしてSIは、システムインテグレーションの略で、企業がクライアントの要求に応じてシステムを一から設計・開発・運用まで提供する形態です。
最後にSEは、システムエンジニアの略で、システム開発において設計や要件定義、開発などを担当する技術者を指します。
まずは、大手SES企業のランキングからご紹介します。こちらのランキングはマイナビ転職にて調査し、上位表示された企業になります。
参照:ITエンジニアの転職・求人情報TOP「マイナビ転職」(2024年9月22日)
続いて、ベンチャーSES企業をご紹介します。こちらの企業は設立年数が10年未満をベンチャーと定義しております。
SES企業を選ぶ際には、「大手企業」と「ベンチャー企業」の違いをしっかり理解することが大切です。
それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらを選ぶかはあなたのキャリアプランや働き方の希望によって異なります。
大手企業は、経済的な安定性と手厚い福利厚生が最大のメリットです。大規模な企業は、長期的なプロジェクトを持ち、倒産リスクが低いため、雇用の安定性が高いといえるでしょう。
また、給与体系や退職金制度も整備されていることが多いです。
ベンチャー企業では、短期間での急成長が可能で、個々の裁量が大きいです。会社の成長とともに自分自身も成長でき、昇進や昇給が早い傾向にあります。
スピード感を持って多くの仕事をこなしたい、チャレンジングな環境を求めるエンジニアには最適です。
大手企業は、エンジニア育成に力を入れており、研修制度が充実しています。社内のトレーニングや資格取得支援制度などが整っており、新人からベテランまでの成長をサポートします。
組織内で専門分野を深めたい場合や、安定した教育環境を求める人に向いているでしょう。
ベンチャー企業では、教育は「実践の中で学ぶ」スタイルが多く、即戦力としての対応が求められることが多いです。自己学習が必要な場合もありますが、その分、早い段階で実際のプロジェクトをリードするチャンスも多く、成長のスピードが早いです。
大手企業では、プロジェクトの規模が大きく、長期的に関わることが一般的です。また、クライアントも大企業や官公庁などが多く、信頼性の高い案件に取り組めます。
大きな組織の中で、チームの一員として働き、プロセスや手続きに従うことが多いでしょう。
ベンチャー企業は、短期のプロジェクトや、最新技術を用いた実験的な案件に取り組むことが多いです。小規模なプロジェクトを自ら主導する機会が多く、柔軟な働き方ができる点が魅力です。
また、クライアントの規模や業界が多様で、幅広い経験を積むことができます。
大手企業では、キャリアパスが明確に設定されていることが多く、定期的な評価制度や昇進システムが整っています。長期的なキャリアビジョンを持ち、安定した環境で着実にステップアップしていくことが可能です。
ベンチャー企業では、昇進のスピードが速いのが特徴です。成果を出せば短期間での昇進が可能で、リーダーやマネージャーのポジションに早く就くこともできるでしょう。
会社の成長に合わせて自分のキャリアも柔軟に変えられるため、スピーディにキャリアを築きたい人に向いています。
大手企業では、企業文化が安定しており、ルールや規則が整備されているため、組織の一員としての働き方が求められます。ワークライフバランスが整っていることも多く、福利厚生や休暇制度が充実しているのもメリットです。
ベンチャー企業は、柔軟な働き方が許されることが多く、リモートワークやフレックス制度が取り入れられていることもあります。風通しの良いフラットな組織が多く、個々のアイデアを尊重する文化が根付いていることが多いです。
新しいことに挑戦したい人や、自分の意見を積極的に発信したい人には理想的です。
現代では、オンラインでのフルリモートで開発プロジェクトに参画するケースが増えていますが、まだ常駐型でクライアント先のオフィスで業務を行うケースも少なくありません。
ここでは、主要都道府県の東京都・大阪府・愛知県の業種別割合からどのような開発案件が多いのか考察していきたいと思います。
参照:「平成28年・令和3年経済センサス-活動調査」「総務省・経済産業省」(2024年9月22日)
全国 | 東京都 | 愛知県 | 大阪府 | |
1位 | 卸売業・小売業 | 卸売業・小売業 | 卸売業・小売業 | 卸売業・小売業 |
2位 | 宿泊業・飲食サービス業 | 宿泊業・飲食サービス業 | 宿泊業・飲食サービス業 | 宿泊業・飲食サービス業 |
3位 | 建設業 | 不動産業・物品賃貸業 | 製造業 | 製造業 |
4位 | 医療・福祉 | 医療・福祉 | 建設業 | 医療・福祉 |
5位 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 学術研究・専門・技術サービス業 | 医療・福祉 | 不動産業・物品賃貸業 |
6位 | 製造業 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 生活関連サービス業・娯楽業 | 建設業 |
7位 | 不動産業・物品賃貸業 | サービス業(他に分類されないもの) | サービス業(他に分類されないもの) | 生活関連サービス業・娯楽業 |
8位 | サービス業(他に分類されないもの) | 建設業 | 不動産業・物品賃貸業 | サービス業(他に分類されないもの) |
9位 | 学術研究・専門・技術サービス業 | 製造業 | 学術研究・専門・技術サービス業 | 学術研究・専門・技術サービス業 |
10位 | 教育・学習支援業 | 情報通信業 | 教育・学習支援業 | 教育・学習支援業 |
1位の「卸売業・小売業」と2位の「宿泊業・飲食サービス業」は大阪府・愛知県と同じですが、3位に「不動産業・物品賃貸業」、5位に「学術研究・専門・技術サービス業」の割合が高い傾向にあります。
これらは、東京都が日本のビジネスや不動産市場、専門サービスの中心地であることが考えられます。
また、SES業界と関係が深い「情報通信業」が10位にランクインしています。割合を比較してみても約3〜4倍も多いことが分かります。これはIT企業やメディア関連企業の集中を表しているといえるでしょう。
愛知県の3位に「製造業」がランクインしています。愛知県は自動車産業(特にトヨタ)を中心とした製造業が非常に強い地域であり、これは全国や東京都、大阪府と比べても顕著な特徴といえるでしょう。
そして、東京都・大阪府と比較して「建設業」が上位にランクインしています。製造業の発展を支えるためにインフラや工場の建設需要が高まっており、建設業も地域経済にとって欠かせない産業になっていると考察できます。
大阪府では、4位に「医療・福祉」がランクインしています。大阪市は関西圏全体の医療拠点であり、大学病院や大規模な医療機関が多く集まっています。また、武田薬品工業や塩野義製薬といった大手製薬企業が拠点を置き、医薬品や医療機器の開発が盛んです。
さらに、大阪府は「商業の街」として知られ、歴史的に全国の流通拠点として発展してきました。観光業の需要も高く、道頓堀やUSJなどの観光地が多く、外国人観光客も増加。これにより、宿泊業・飲食サービス業が2位にランクインし、観光業がサービス業の成長を後押ししてるのではないでしょうか。
SES業界には、ブラック企業と呼ばれる企業が少なくありません。自分のキャリアを健全に形成していくためには、ブラック企業を見極める力が重要です。
ここでは、SES業界における年収や待遇、残業時間に触れつつ、ブラック企業の特徴を具体的に解説します。
SES業界でブラック企業が存在する背景には、業界特有の労働環境が関係しています。その理由の一つは、クライアントの都合に合わせた長時間労働や、プロジェクトの進行状況に依存した不規則な勤務が求められる点です。
例えば、プロジェクトが遅れると、納期に間に合わせるために連日深夜まで働くことが当たり前になることもあります。
さらに、SES業界には「ベンチ」と呼ばれる期間が存在します。これは、案件終了後に次のプロジェクトが決まるまでの待機期間のことです。
この期間中、収入が減少したり、不安定な状態が続いたりすることがあり、これがエンジニアのキャリア形成に不安を与える要因となっています。ブラック企業では、この「ベンチ」の扱いが不透明で、適切なサポートがされない場合も多いです。
SES企業での年収は、エンジニアのスキルや経験によって大きく異なります。大手企業では、年収500万円以上が平均的ですが、ベンチャー企業ではこれを下回ることも珍しくありません。
また、企業によっては、残業時間が非常に長く、過酷な労働環境が問題視されることもあります。特にブラック企業では、長時間労働や無理なスケジュールを強いられることが多く、これが疲弊や離職の原因となります。
ブラック企業を見極めるためのポイントは、以下の項目に注意することです。
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