ソフトウェア開発のプログラミングとは?プログラミング言語の種類を解説

ソフトウェア開発は、さまざまな工程を経て進められます。そのなかでも、プログラミングは実際に機能を実装していく重要な工程です。

理想のソフトウェア開発を行うには、多くのプログラミング言語のなかから適切なものを選び、開発を進める必要があります。

この記事では、ソフトウェア開発におけるプログラミングが指す作業や、使われるプログラミング言語などについて解説します。

1.ソフトウェア開発におけるプログラミング

ソフトウェア開発には、大きく分けて以下のような工程があります。

1.要件定義・要求定義
2.設計
3.開発
4.テスト
5.リリース
6.保守・運用

このなかでプログラミングを行うのは、「3.開発」の段階です。

まず、要件定義・要求定義では、開発するソフトウェアにどのような機能が必要なのかを見極めます。そして、設計では機能を開発するための設計書を作成します。

開発は、設計段階で作成した、UIなどの外観および内部の機能に関する基本設計書・詳細設計書をもとに、実際にコーディングを行う工程です。つまり、プログラミングは機能を実装するための作業にあたるので、ソフトウェアの実質的な開発作業といえるでしょう。

具体的にプログラミングを行う部分としては、次のようなものが挙げられます。

・基本機能
・データの入出力
・業務フローチャート
・操作部分のレイアウト
・サーバー
・関数処理などに関するバッチ処理
・データベース
・メンテナンス など多数

なお、プログラミングの内容には、大きく分けて機能要件と非機能要件があります。

機能要件とは、クライアントがソフトウェアに求める「機能」のことです。「〇〇のデータを効率的に処理できる機能」のように、そのプロジェクトにおいて最低限達成すべき部分ともいえるでしょう。

一方で非機能要件とは、機能要件以外の、ソフトウェアの品質に関するものを指します。具体的には、「可用性」「性能・拡張性」「移行性」「運用・保守性」「セキュリティ」「システム環境・エコロジー」などにあたる部分です。

実装する機能を、どれだけ効率的にかつ安全に動作させられるか、ユーザビリティを高めるにはどうするかなど、非機能要件を含めてプログラミングを行なうことでソフトウェア全体の質が高まります。

また、インフラ整備としてサーバーの構築も重要です。ハードウェアのサーバーだけではなく、Webサーバー・データベースサーバー・ファイルサーバー・メールサーバーなど、ソフトウェアのサーバーも適切な構築が必要になります。

ソフトウェア開発の詳しい流れに関しては、以下の記事で説明しているので、併せてご覧ください。

関連記事:ソフトウェア開発の流れとは?ソフトウェア開発の手法についても説明

2.ソフトウェア開発で使うプログラミング言語

ソフトウェア開発では、さまざまなプログラミング言語が使用されます。プログラミング言語には実に多くの種類がありますが、各言語によって得意とする開発内容や特徴が異なります。

ここからは、ソフトウェア開発でよく活用されるプログラミング言語を、それぞれの特徴とサービス例とともに見ていきましょう。

2-1.PHP

プログラミング言語のなかでも、最も代表的な言語です。処理スピード自体はそこまで速くないものの、コーディングがシンプルで、自由度も比較的高いといえます。

PHPが得意とするのはWebシステムの開発で、Webサイトに表示される情報をユーザーによって変化させるなど、特に動的なページの作成で活躍します。お問い合わせフォームや検索機能の作成、ECサイトの構築など、さまざまなWebシステムの開発が可能です。

一方で、高度な数的処理などは苦手で、計算が多い作業や図形の表現する作業の開発にはあまり適していません。

サービス例

Facebook、Wikipedia、ココナラ など

2-2.JavaScript

JavaScriptもPHPと同じく、大変ポピュラーなプログラミング言語の一つです。単純な処理から複雑な処理まで幅広いプログラミングが可能で、Webサイトの動的ページの作成や、ゲーム開発などにも使用されます。

文字の色・大きさの変更や、画像の切り替えなど、Webサイトの画面を一部だけを動かすことができるので、ブラウザ上で高度な動きをするアプリなどの開発も得意。例えば、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートなどは、JavaScriptによって動いているアプリの一つです。

サービス例

Kindle Cloud Reader、Googleドキュメント/Googleスプレッドシート、カグサイズ検索など

2-3.Python

Pythonは、1991年に開発されたプログラミング言語で、コードの量を抑えながらシンプルに書けることが特徴です。その書きやすさと読みやすさから、プログラマー・エンジニアの熟練度による差が出にくいため、複数人で共有するプロジェクトでも活躍します。

画像処理や動画処理、数的処理だけではなく、Web開発やデータベースに関するライブラリも充実しているので、あらゆる開発に対応可能です。

歴史の長い言語ですが、近年では特に発展がめざましいAI・機械学習の分野での、深層学習の処理において優位性を誇っています。

ただし、実行速度が遅い点が弱点なので、大規模なプロジェクトや、ゲームなどの迅速な処理速度が求められる開発には向いていないでしょう。

サービス例

YouTube、Dropbox、Instagram など

2-4. Ruby

Rubyは、日本人によって作られたプログラミング言語です。コーディングがシンプルで読み書きがしやすいうえ、自己流の書き方でも大丈夫などの特徴があり、多くの開発会社が対応しています。

Pythonとの共通点が多く、基本的にRubyで開発できるものはPythonでも開発可能です。

しかし、これら2つには以下のような違いがあります。

・Ruby:ECサイトやアプリケーションサイトなど、フレームワークを活用したWebシステムの構築に適している

・Python:AIを駆使した解析・分析などを行なうソフトウェア開発に適している

サービス例

クラウドワークス、価格.com、Hulu など

2-5.Java

世界中で使用されているプログラミング言語で、Webシステム・アプリなど、さまざまな分野の開発が可能です。

Javaには「Write Once, Run Anywhere」という謳い文句があります。これは「一度書けば、どこでも動作する」という意味です。この言葉通り、 JavaではMac・WindowsなどOSの種類を問わず、基本的にどのような環境でもスムーズに動作するプログラムを組めます。

Javaは技術的な安定性・トップクラスの処理速度・セキュリティの高さなど多くの強みがあり、Android用のアプリ開発や大規模システムの開発にも採用されるほど、信頼されている言語です。

なお、JavaScriptは名前が似ているというだけで、全く関連性はない別物なので、混同しないよう注意してください。

サービス例

Evernote、楽天、Twitter など

2-6.C++

「シープラ」「シープラプラ」などと呼ばれる、コンピューターを素早く動かすためのC言語から派生したプログラミング言語です。

汎用性が高く、IoTやゲーム、OSなどさまざまな分野での開発ができます。実際に、C++で開発されている例としては、Googleのブラウザである「Chrome」や、ゲーム「フォートナイト」などを手がけるEpic Gamesの「Unreal-Engine」などが挙げられます。

もともとコンピューターの処理速度を重視するC言語から派生していることから、C++は処理速度や複雑な処理を求められる開発に向いています。

サービス例

Google Chrome、Unreal-Engine、Cocos2d-x など

2-7.C#

当初Windows専用として開発された、C言語系統のプログラミング言語です。現在ではMacやLinuxなど、対応OSも増えています。

文自体はC言語と類似していますが、Javaからの影響が強い言語で、C++とJavaの長所がミックスされていることが特徴です。

そもそもWindows用として使われていた言語ということもあり、Windowsアプリの多くはC#で開発されています。その他、多くのWebアプリやゲーム、スマホアプリの開発にも使用されているなど、柔軟かつ効率的な開発が行なえる言語といえるでしょう。

サービス例

MSN、Bing、Unity など

2-8.Kotlin

2011年に開発された比較的新しいプログラミング言語ですが、GoogleがAndroidの公式開発言語に採用したことも手伝い、Andoridのソフトウェア開発で多く使用されるようになりました。

独自の文法で、Javaなどとは異なる点が多いものの、すでにJavaで書いたソースコードの呼び出しをしたり、Javaで作られた資産を流用したりして開発可能な点が大きな特徴です。

サービス例

Uber、Netflix、LINE など

2-9.Go言語

Googleが開発したプログラミング言語で、「シンプルで、効率的な高速処理が行なえる」ことが特徴です。

Windows、MacなどOS環境を問わず動作することからも、WebシステムやWebサーバーの構築、アプリ開発などに適しています。

実際にYoutubeやメルカリなど、利用者が多く、膨大なデータ処理が求められるソフトウェアやアプリの開発で使用されています。

サービス例

メルカリ、グノシー、クックパッド など

3.開発内容によって適したプログラミング言語は異なる

上記で紹介したように、プログラミング言語には非常に多くの種類があります。それぞれ得意・不得意なことがあり、開発したい内容によって適切な言語を選ぶことが、ソフトウェア開発では重要です。

また、言語だけではなく適切な開発方法を選ぶことで、最適なコストで理想に近いソフトウェアの開発を行うことができます。コストを抑えながら、効率良く開発を進めたいとお考えの場合は、MVP開発に関する以下の記事もぜひ参考にしてください。

関連記事:MVP開発とは?新規事業開発に適している3つの理由と開発成功のポイント

開発内容別に適したプログラミング言語をまとめると、以下のようになります。

3-1.スマホアプリ

スマホアプリの開発用途としては、Java・Kotlin・Go言語などが適しています。

Javaはその汎用性の高さから、Javaで作られた多くのアプリがすでにGoogle Playなどでリリースされています。また、Kotlinは先述のように、Androidのソフトウェア開発の場面でよく利用されている言語です。

3-2.ゲーム

ゲームの開発用途としては、C#・C++が適しています。C#は有名なゲームエンジンで採用されているほど信頼度が高く、C++は処理速度の高さからオンラインゲームの開発に特に有用です。

3-3.Webシステム

Webシステムの開発用途としては、PHP・JavaScrptが適しています。

多くの場面に応用できるPHPは、さまざまなWebシステムとデータベースとの連携をスムーズに行なえます。また、JavaScriptはブラウザ上で動作確認が容易にできることが、Webシステムの開発に向いている理由の一つです。

3-4.AI・機械学習

AIや機械学習分野の開発用途としては、Python・Javaが適しています。とりわけPythonは、ライブラリが豊富に用意されていることから、統計処理や高度な計算が求められるAI・機械学習分野の開発に欠かせないものとして、注目されている言語です。

なお、ここで示した開発内容別のプログラミング言語の例は、あくまでも参考程度にお考えください。言語の種類は多く、プログラマー・エンジニアによって習得している言語は異なります。

実際にどの言語で開発を進めるかは、開発会社やプログラミングを行うスタッフのスキルによって変わるでしょう。

4.まとめ:「ソフトウェア開発」に関する支援を承ります

ソフトウェア開発では、プロジェクトの性質や規模に応じて、適切なプログラミング言語・開発方法で開発を進めることが大事です。プログラミング言語と同じように、開発方法も種類によって得意・不得意な分野があります。

DeFactoryでは、ソフトウェア開発の立ち上げ支援・各フェーズのフレームワーク活用法もサポートしています。

その他、アイデア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、ソフトウェア開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。 

また、経験豊富なエンジニアと事業開発経験者で、開発だけでなく事業設計から「一気通貫」した伴走を行ないます。

事業開発や立ち上げを検討しているご担当者様がいらっしゃいましたら、問い合わせページから資料請求や無料相談などお気軽にご連絡くださいませ。

関連記事:代表的なソフトウェアの開発方法4つ!トレンドの開発方法についても解説

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この記事を書いた人
DeFactory代表取締役 事業開発、デジタルマーケティング(検索領域)、グロースハックが得意領域です。 事業の壁打ちのご相談お受けしております!

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