ソフトウェア開発とは、いったい何を指すのでしょうか。ソフトウェア開発の概要や流れを知っておくことで、理想的なプロダクトの開発をスムーズに進めることができます。
ここでは、ソフトウェア開発とは何なのか、具体的な開発の流れや必要な職種、代表的な開発手法などと併せて説明します。
まずソフトウェアとは、コンピューター内で作動するプログラムのことを指します。具体的には、文章作成ソフト・表計算ソフト・ゲーム・メールなどが、身近なソフトウェアです。
業務の効率化を図るものや、サービスの向上が期待できるもの、コミュニケーションツールなど、さまざまな場面で多種多様なソフトウェアが活用されています。
また、ソフトウェアの対義語としてあるのがハードウェアです。ハードウェアは、実際に目に見える形で存在し、物理的に触れることができるものです。例としては、スマートフォン・タブレット・パソコンなどが挙げられます。
このようなハードウェアの内部にソフトウェアがインストールされることで、ユーザーはさまざまな機能にアクセスできるようになります。
つまり、ソフトウェア開発とは、「ハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで、機能的なプロダクトになるよう開発する作業」といえるでしょう。
ソフトウェア開発には、大きく分けて3種類あります。それぞれ開発する内容が異なるので、ソフトウェア開発を進める前に各特徴について把握しておきましょう。
Webソフトウェア開発は、Webブラウザで動作するソフトウェアの開発を指します。例えば、GoogleのG-mailや、クラウドサービスの一つであるDropboxなどがよく使用されているでしょう。
Webソフトウェアはハードウェアにインストールする必要がなく、インターネット環境とブラウザさえあれば利用できる点が大きな特徴です。また、サーバー上でソフトウェアを管理することで、メンテナンスがしやすいという利点もあります。
アプリケーション開発とは、ユーザーが求める目的に特化したプログラムを組んだ、ソフトウェアの開発です。音楽を聴けるソフトウェア、映像を制作できるソフトウェア、文章を作成できるソフトウェアなどのように、基本的にハードウェアにインストールして使用するものをアプリケーション(アプリ)と呼びます。
アプリケーションは、一度インストールすればインターネット環境がなくても使用できるため、使いやすさの面ではユーザーにとってメリットが大きいでしょう。しかし、トラブルを解決してより機能的なものにアップデートしていくには、定期的に更新プログラムをリリースして、ユーザーに更新してもらう必要があります。
組み込みソフトウェア開発は、家電・デバイス・自動車・機械などに対して、特定の機能を組み込むことです。例としては、電子レンジに「温め機能」「オーブン・グリル機能」を組み込む、などが挙げられます。
近年では、IoT(Internet of Things)が普及していることもあり、家電などさまざまなモノとインターネットをリンクさせることで、便利な機能を使えるようになっています。「家にいないときでも、自宅のエアコンを操作できる」などのような機能も、組み込みソフトウェア開発によって使用できているのです。
ソフトウェア開発の具体的な流れとしては、大きく以下の6ステップに分けられます。
ソフトウェア開発の詳しい流れについては、以下の記事もぜひご覧ください。
関連記事: ソフトウェア開発の流れとは?ソフトウェア開発の手法も解説
要件定義は、クライアントにヒアリングをして、どのような機能・仕様を備えたソフトウェアを開発するのか、具体的な方向性を決める工程です。また、開発全体に必要なコストや人員、開発工数などについての見通しも確認します。
一般的に、要件定義には数日かかります。
要件定義の結果に基づいて、実際にソフトウェアを設計する工程です。設計では、データの処理方法やソフトウェアの外観、ユーザーにとっての操作性、セキュリティの確保など、さまざまな検証を行ないます。
要件定義と同じように、設計にも数日を要します。
詳細設計書に基づいて、実際にプログラミングを行なう工程です。機能が設計書どおりに動くよう、入念に確認しながら進めます。
要件定義~設計の工程を経て、ご契約から実際に開発を開始するまではおおむね10日~14日程度が必要です。開発自体の工数は開発規模によっても変動しますが、MVP開発を例にとると、平均2~3ヵ月ほどかかります。
開発したソフトウェアを実際に動かして、設計書どおりに動作するか、トラブルがないかなどをチェックする工程です。テストは、単体テスト・結合テスト・システムテスト・受入テストの4種類に分けられます。
モジュール単位やプログラム全体での確認を慎重に行ない、どこかの段階で不具合が見つかればその都度修正が必要です。最終的には、ユーザー環境でもソフトウェアを動かしてみて、問題がないことを確認します。
すべてのテストをクリアすれば、クライアントへ納品(リリース)します。リリースする前には、設定やファイルの漏れ、データの消し忘れなど、クライアントに渡せる状態になっているかの最終チェックも必要です。
リリースされてからも、常にベストな状態でソフトウェアが動作するように、運用・保守を行ないます。
テストをクリアしたソフトウェアでも、実際に運用していくと想定外のトラブルが発生することもあるでしょう。そのような場合に都度修正を加え、アップデートしていくのです。
ソフトウェア開発を行なうにあたり、さまざまな職種が関わることになります。具体的には、エンジニア・プログラマー・営業などが挙げられます。
エンジニアは、ソフトウェアやアプリケーションにどのような機能を、どのようにして組み込むのかなどを決める職種です。おもに、要件定義~設計に携わります。エンジニアがプログラマーも兼ねている場合は、設計に基づいたプログラミングやテストなど、開発以降の工程に関わることもあります。
その名のとおり、プログラミングを行なう職種です。エンジニアが作成した設計をもとに、仕様書どおりに機能が動作するよう開発を進めます。先述の工程でいえば、基本的に開発~テストまでを担いますが、なかにはプログラマーが要件定義などを行なう場合もあります。
このように、エンジニアとプログラマーの境目はあまり明確ではなく、実際はどちらの役割も果たしている人が多くいる状態です。
ソフトウェア開発には、エンジニアやプログラマーなど、実際に制作するチームだけではなく、営業担当も携わります。ソフトウェア開発を行なう企業がプロジェクトを受注するには、ソフトウェア開発やプログラミングに関する知識を備えた営業担当が必要です。
営業担当はクライアントがどのような課題を抱えているのかを聞き、エンジニア・プログラマーとの仲立ちをする役割も果たします。プロジェクトの窓口ともいえる存在のため、信頼できる営業担当者とやり取りすることで、要望を正確に開発チームに伝えることができ、理想のプロダクトを完成させられるでしょう。
ここからは、ソフトウェア開発のおもな手法について2つご説明します。
関連記事:代表的なソフトウェアの開発方法4つ!トレンドの開発方法についても解説
ウォーターフォール開発は、先ほど説明した開発工程(要件定義~リリース)を最初から最後まで細かく決め、その流れに沿って開発を進める方法です。
ウォーターフォール開発では、事前に決めた手順どおりに開発を進め、一つひとつの工程について入念に確認します。次の工程に進むためには、各工程でクライアントを含め、チーム全体の了承を得る必要があります。
ウォーターフォール開発では開発工程を細かく決めるため、進捗状況・リソースの確認や、スケジュール管理をしやすいことが最大のメリットです。
ただし、裏を返せば、開発工程が事細かに決まっているがゆえに、開発途中での仕様変更に対応しにくいともいえます。クライアントの要望が途中で変わる可能性がある場合には、柔軟に対応できないことがデメリットです。
厳密なスケジュール管理が求められるような大規模プロジェクトや、コンセプトや方針がかなり定まっていて、仕様変更が生じにくいようなプロジェクトに適した開発手法でしょう。
アジャイル開発は近年主流となっている開発方法で、プロダクトの機能単位で開発サイクルを素早く繰り返す手法です。
要件定義~設計~テスト~リリースまでの工程を機能単位に細かく分けて行ない、PDCAサイクルを高速で回すため、短期間でもクオリティの高いプロダクトを開発できます。
アジャイル開発では、ウォーターフォール開発と対照的にスケジュールを細かく決めず、また機能ごとに開発を進めるため、途中での仕様変更にも柔軟に対応可能です。
開発の初期段階で、まだ理想形が定まっていない場合や、開発を進めながら理想のプロダクトに近づけていきたいという場合には最適でしょう。
しかし、柔軟に対応できる反面、どうしても開発状況が流動的になりやすく、厳格なスケジュール管理が求められるプロジェクトには適していません。
関連記事:アジャイル開発の2つのデメリット!解決方法も合わせて解説
アジャイル開発のメリットを最大限享受するには、経験豊富なマネージャーやエンジニアがそろったチームで開発を進めることが欠かせません。
ソフトウェア開発において基本であり、かつ重要なのは「本当に必要とされるプロダクトを、適切なスキルを持った人材とともに作ること」です。社会にニーズがない商品を作っても売り上げにはつながりませんし、スキルを持った人材がいないことには満足いくプロダクトは開発できません。
また、新規参入する市場であれば、参入するタイミングを見極めて開発・運用するなど、単なるソフトウェア開発の枠だけではなく、事業としての総合的な視点から開発を進めることも重要です。
DeFactoryには、事業目線でプロダクト開発を進められるマネージャーや、経験豊富なエンジニアが集まっています。
プロダクト開発における計画(要件定義)までであれば最短5営業日で、計画〜実装〜テストのサイクルであれば最短14営業日で行なうことが可能です。
高品質なプロダクトをスピーディーに開発したいとお考えの場合は、ぜひDeFactoryにお任せください。
なお、ソフトウェア開発の話によく出てくる言葉として「MVP開発」「リーン開発」「ラボ開発」などがあります。これらについても、少し触れておきましょう。
MVPとは、Minimum Viable Productの略で、必要最低限の機能だけを備えたプロダクトのことを指します。MVP開発では、まずミニマムなプロダクトを開発し、ユーザーからのフィードバックを参考にしながら、徐々に完成度を高めることが可能です。
MVP開発の最大のメリットとしては、低コスト・短期間で開発ができる点が挙げられます。新規事業や新規プロダクトをローンチする際には、MVP開発を活用することで、市場価値やユーザーのニーズを見極めながらスピーディーに開発を進められます。
リーン(Lean)とは、「贅肉がなく締まった・無駄のない」などを意味する言葉です。リーン自体はビジネス全般に使用される言葉ですが、ソフトウェア開発におけるリーン開発とは「無駄を省きながら、プロダクトの価値を最大限高める開発手法」を指します。
リーン開発では、「仮説→構築→計測→学習」を基本的な流れとして開発を進め、仮説が正しくなければ、再び構築・計測・学習を行ないます。
リーン開発で構築するプロダクトは、無駄をできるだけなくすために、最小限の機能を持ったものにとどめます。ここで行なうことが、MVP開発です。MVP開発は、リーン開発においてなくてはならない存在だといえるでしょう。
なお、リーン開発は、機能単位でPDCAサイクルを回すアジャイル開発と相性が良いため、組み合わせることも多くあります。
ラボ型開発は、海外に開発リソースを確保する「オフショア開発」の一種です。ラボ型開発では、ベトナムやミャンマーなど東南アジアを中心とした、海外の企業・エンジニアチームと期間を決めて専属契約し、ソフトウェア開発を委託します。
海外であれば、日本と相違ない技術力を持ったエンジニアを低コストで雇用できるため、予算を抑えながらも高いクオリティのプロダクトを開発可能です。
ただし、メンバーを集めて開発チームを構築し、実際に開発に着手するまでには数ヵ月を要することになります。また、契約中であれば、発注する仕事がない間も人件費が発生するので、プロジェクトがスムーズに進まないと結果として費用対効果が悪くなる可能性もあるでしょう。
DeFactoryでは、プロダクト開発の立ち上げ支援・各フェーズのフレームワーク活用法もサポートしています。その他、アイデア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、プロダクト開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。
また、経験豊富なエンジニアと事業開発経験者で、開発だけでなく事業設計から「一気通貫」した伴走を行ないます。
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