新規事業を立ち上げたいと思ったときに、まず最初に取り組むことが「アイディア」の発案です。
同時に「なかなかいいアイディアが出てこない」「アイディアの出し方がわからない」という悩みも出てくるのではないでしょうか。
今回は、新規事業のネタ・アイディアの見つけ方やマインド、おすすめのフレームワークについてご紹介します。
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新規事業を立ち上げるためには、そもそもアイディアを出す必要があります。アイディアを出すために必要なことについて考えてみましょう。
新規事業の立案が難航するのは、既存のビジネスにとらわれていたり、質にこだわりすぎて発想力が乏しくなったりするなど、視野が狭くなっていることが考えられます。
また、「ノウハウ不足」「人材不足」など会社の抱える課題そのものが影響しているケースもあります。
「なぜ新規事業が必要なのか」改めて問いただし、まずは新規事業の必要性を認識しましょう。
事業環境は日々刻々と変化し、そのスピードはますます増しています。
先の読みにくい時代でもあり、今安定しているからといって、同じビジネスモデルがこの先も続くとは限りません。
会社を中長期的に発展させる意味でも、新規事業の開発は必須といえるでしょう。会社の持続的な発展を図るために、多くの会社が時代のニーズに合ったビジネスモデルを新たに仕掛け、取り組んでいる状況なのです。
時代の流れが速い今、これまでの常識や固定観念にとらわれていては、よいアイディアは思いつきにくいでしょう。では、どんなことを意識していけばいいのでしょうか。
・事業の目的を再確認する
「これまで自社にない全く新しいものを開発する」のか「既存事業との相乗効果を生み出すようなアプリを開発する」のかでは、目的も取り組みやすさも異なります。
いま、なぜ自社で新規事業の開発に取り組んでいるのか。
新規事業の目的について開発に携わる関係者間で今一度明確にしておきましょう。
・他責ではなく自責
思ったような成果が出ないときは、責任を転嫁したくなるもの。しかし、まずは自らを省みて自己分析して改善する姿勢が大切です。
・スモールステップ
根拠もなく多額の資金をつぎこみ、大きく事業を立ち上げてしまうと、会社にとって致命的な失敗となることも。まずは「小さく試す」こと。
小さなテストを繰り返しながら改善点を分析しつつ、成功へとつなげていきましょう。
・ユーザー目線
常にユーザーの目線に立つことが大切です。
「誰に何を届けるためのサービスなのか」
ここを見失ってしまうと事業の軸がぶれてしまい、結果として市場にニーズのないものが生まれ、事業が失敗してしまう可能性も。
「ユーザーにとってのの価値を追求する」という基本姿勢を開発チーム共通の認識として、忘れないようにしましょう。
新規事業開発では「課題発見」「顧客獲得」「収益化」という3つのフェーズを経ていきます。
特に「課題発見」のフェーズは非常に重要で、これを見誤ってしまうと「ニーズがなかった」という結果になり事業失敗につながります。
「ニーズがなかった」(=課題の種が見つからなかった)ということにならないよう「顧客獲得」「収益化」以前に「課題発見」を最重要視して考える必要があるのです。
「ニーズがなかった」原因から探っていくと課題発見方法には次の3つの視点が考えられます。
・対象ユーザーの明確化
・業界の背景と未来の考察
・業界構造の把握
対象ユーザーを明確にし、ユーザーの課題を紐解いていきます。ここでは、ユーザーの抱えている明確な課題(潜在的課題)の仮説を立てることがポイントです。
同時に、参入タイミングを見極めることも必要です。一定数の割合で課題を解決できるユーザーはあるものの、そこまでの需要がないケースも。
先行者が有利というわけでもないマーケットもあり、業界の背景や構造、未来予測まで行う視点をもつことが大切です。
課題そのものの解像度が高い(深さ・広さがある)状態にあれば、課題発見に近づきやすくなります。
ここでの「解像度が高い状態」とは、状況や事例をベースに顧客像がはっきりして、顧客の課題が明確化できている状態のことです。
具体的には次の3つの観点が重要だと考えます。
・ニーズの量を探る
・ニーズの質を探る
・課題解決している現状の方法を把握する
ニーズについては、「一次情報の収集」がポイントです。
ネットで集められる情報もありますが、可能な限り、現場の声(ユーザーになるうるかもしれない声)を直接聴くことが最も信憑性の高い情報が集まります。
ニーズの質を高めるためには、ヒアリングの仕方もカギを握ります。顧客自身も認識していなかった潜在的なニーズにたとぢつくには”顧客を観る”ためのクエスチョンが重要です。
DeFactoryでは、ユーザーの声を「直接聴く」ことが重要だと考えています。
ユーザーは自分が欲しいものが何なのかをわかっていない状態であることがほとんどです。ユーザーの課題の解像度を上げるためにも、潜在意識をも引き出すことを意識してユーザーインタビューを行いましょう。
関連記事:新規事業開発のプロセスとは?5つのステップと3つの成功事例
ここでは、一般的によく使われているフレームワークのうち、新規事業創出時におすすめのものを5つご紹介します。
マンダラートとは、仏教に登場する曼荼羅(マンダラ)模様に由来するもの。3×3の9つのマスを書き、真ん中にテーマを記入。
そのテーマに関連するアイディアを周囲に書き込むことでアイディアの整理や思考を深めるものです。
出典:https://navi.dropbox.jp/mandal-art
紙と鉛筆があれば手軽にできる手法なので、使いやすく多くの場面で用いられています。
アイディアが可視化されるので、(アイディアの)「量が増えやすい」「ブラッシュアップできる」などの効果があります。
・優先順位は何か
・認識の漏れはないか
など視覚的にチェック、網羅できる点もポイントです。
ブレインストーミングとは、1950年頃アメリカで考案された会議方式のひとつ。
集団でアイディアを出し合うことにより、参加者それぞれが自由にアイディアを提唱したり刺激を与えあうことでクリエイティブな発想を促すものです。
ブレインストーミングには下記4原則があります。
・すぐに判断・結論を出さない
・質より量を重視
・自由な発想を歓迎する
・アイディアをまとめ発展させる
目的を明確にし、進行役や書記などの役割設定をした上で、アイディアをどんどん出すことがポイントです。結論を出す必要はありませんが、出された内容・発表された情報など記録、整理しておきましょう。
KJ法は、ブレインストーミングによって出されたアイディアをベースに情報を分類、分析する手法。ホワイトボードなどアイディアをまとめられる場所・紙・鉛筆があれば実施できます。
出典:https://swingroot.com/kj-method/
ブレインストーミングで出されたアイディアを4つのステップ「単位化・グループ化・図解化・文言化」で進めることで新しいアイディアを創出します。
出典:https://swingroot.com/kj-method/
オズボーンのチェックリストは、他業界の事例・アイディアを新規事業への応用を目的としてアイディアを抽出する方法。具体的な9つの項目を埋めていきます。
出典:https://jairo.co.jp/keyword/588
これまで思いつかなかった発想や視点から、思わぬアイディアが生れる可能性があります。
解決アイディアが煮詰まったときの打開策として用いられることが多いです。
リーンキャンバスとは、シリコンバレー発の新しいビジネスモデルを企画する際に用いられるフレームワーク。ビジネスモデルを9つの要素に分けて考えるものでA41枚に整理でき、ビジネスモデルの検証・改善に役立ちます。
短時間で作成でき、A41枚で可視化されることで理解しやすく、共有しやすいことがポイントです。
出典:https://note.com/shoheitokumitsu/n/n254130a5fec4?magazine_key=mcf7371e3d8ac
DeFactoryでは、素早くアイディアを整理するためにリーンキャンバスのマスの埋め方に優先度を設けています。
アイディアを最も具体化するべき6項目「顧客の抱える課題」「既存の代替案」「独自の価値提案」「ハイレベルコンセプト」「顧客セグメント」「アーリーアダプター」を重要視しています。
なぜなら「顧客の本質的なニーズを知るために聴く」というスタンスが非常に重要だと考えられるためです。ここがブレてしまうと事業全体がブレてしまうので、優先度を高くしています。
関連記事:リーンキャンバスの書き方とは?「課題発見」の具体的な方法
今回は、新規事業開発におけるアイディアの出し方や活用できるフレームワーク、またアイディアを出すためにはまずユーザーニーズを知ることが大切だということもお伝えしました。
新規事業を始めるに際には手探り状態で、わからないことがわからないケースもあることでしょう。
DeFactoryでは、アイディア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、プロダクト開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。
また、経験豊富なエンジニアと事業開発経験者で、開発だけでなく事業設計から「一気通貫」した伴走を行ないます。
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