【要保存】リーンキャンバスの書き方とは?「課題発見」のための具体的な作り方

今回は『リーンキャンバス』の書き方と、書くことで見える「課題発見」の方法について、まとめていきます。

※最初に申し上げておきますが、リーンキャンバス一つとっても、進め方や考え方がたくさんあるので、一つの例として考えて頂けますと幸いです。

1,リーンキャンバスの描く優先度

リーンキャンバスをやみくもに埋めていくわけではなく、優先度をつけて埋めていった方が素早くアイディアの整理ができます。

アイディアをブラッシュアップする際に、要領よくいい種に行きつくためには、様々なアイディアを出すことにもなるため、ブラッシュアップ擦るスピードを早めるに越したことはありません。

私たちは、これまでおそらく100件程度の事業をアイディア着想から検証(ヒアリング)まで行ってきて(※)、このサイクルを早く回すことの重要性を感じております。
※アイディア検証の方法については以下より

関連記事:【保存版?!】新規事業開発のアプローチ(アイディア検証編)


1-1.リーンキャンバスとは


リーンキャンバスとは以下のような図にまとめたものです。

出典:DeFactory作成

①左、赤枠:(普遍的な)課題と、ユーザーが現在利用する解決策
②真ん中、赤枠:(独自の)価値と、価値のコンセプト
③右、赤枠:対象ユーザーと、初期のユーザー

なぜ、6つの四角を赤枠で囲ったかと言いますと、アイディアを構想してから、リーンキャンバスで整理する際に、最もしっかり具体化しないといけない6項目だからです。

ここがブレると全体がブレてしまう故、優先度がとても高いです。

①上部3つの赤枠:誰の、何の課題を、どのように解決するのか
②下部3つの赤枠:現在はどのような解決策で対応していて、どのようなコンセプトで、どのような初期ユーザーに対して、価値を提供するのか

が土台にあって初めて、価値源泉になる解決策や優位性、またビジネス上における顧客獲得のチャネルや指標を定義する必要があるからです。

抽象度が高くても、この6つをまず洗い出すことが重要です。


 1-2. リーンキャンバスにおける課題と顧客セグメント)


6つの中でも特に左右の4マスが最重要でここを徹底的に深堀します。

ここを深堀しないと、課題と対象がブレるので、最適な価値や解決策もぶれてきます。(2回目)

ex:顧客は穴が欲しい(穴を空けたい)のに、ナイフ(穴を空けられない)解決策を提供している状態になってしまったり‥

課題

知識がない人でも「そうだよなあ」と頷けるような普遍的な課題であること

が望ましく

顧客セグメント

知識がない人でも「そういう人はいそう」とイメージを描けるようなユーザー(バイネーム=企業名)

が出てくるようなまで具体化できることが重要です。

2,対象の「顧客」と「課題」の深堀(センターピンの発見

リーンキャンバス

出典:DeFactory作成

私たちは、左右の4マスを徹底的にさらに深堀するために、上記のフォーマットを活用しています。

後述しますが、外部環境(市場規模や競合)や自社の優位性も当然大切ですが、それと同様に重要なことが

①なぜ、課題を解決する必要があるのか
②現在まで対象の課題が残存している理由は何か

ここはリーンキャンバスの4マスを具体化し、仮説出しとヒアリングから顧客を”観る”ことで、仮説と実態の差分を把握ができます。


2-1.なぜ、課題を解決する必要があるのか


画像3

上記の2つの観点で、深堀していきます。

例えば、ZOOMはコロナ前からあったサービスですが、コロナになり非対面でビジネスを行わざるを得ない状況(緊急性)で、ミーティングするにも音質が良いZOOMがフィットした背景がありました。
仕事で対面で必然的に行われていたミーティングができなくなることを回避する(重要性)ための解決策として、ZOOMはタイミングと価値がハマった例でした。

整理すると

①緊急且つ重要なissue
②緊急だけれど、重要ではないissue
(無料ユーザーから有料ユーザーに転換しない)
③重要だけれど、緊急ではないissue
※toBでは重要であれば、緊急度が上がるので、toBの場合は殆どない?

特にこのタイミング(ユーザーヒアリング後でも可)で、①緊急且つ重要なissueの発見をする必要があります。


2-2 現在まで対象の課題が残存している理由は何か


ここを丁寧に深堀することで、例えばあとで起こりえる気づき(早く気づいておかなければいけない一次情報の取得)を、このタイミングで気づけたりします。

競合他社の都合で解決されていないのか外部環境なのか市場的観点なのか‥理由は沢山あると思われます。

その背景を明確にする必要があります。

例としては

・大きな参入障壁(競合数や自社で独自の解決策が提供できない)
・技術的なハードル
・参入機会(トレンドやニーズが現状では追いついていない)
・市場の小ささ(蓋を空けたら市場が小さかった)
・CACとLTVが合致しない
・自社のサービスとのカニバリ
…etc

なぜ、この課題が残存しているのかの理由や本質を探る必要があります。

リーンキャンバスを作成する価値は

前提となる仮説出しとその仮説をインタビューやヒアリングする中で、真実(Seed)を発見することです。

3,外部環境・競合性からポジショニングと優位性を描く

出典:DeFactory作成

ここまでくると、【課題×価値】がセットになっているので、より競合や市場規模等も判断つきやすくなります。
(将来的に競合になり得る企業も見えてきます)

例えばですが、ZOZO(アパレルモールEC)の競合はAmazon(総合モールEC)ではなく、『田舎のアウトレット』であるという見解は、個人的にしっくりきます。

競合がどこかなのかによって、優位性の作り方やポジショニングが変わってくるので、前提とする【課題×価値】がセットで把握できていれば、センターピンを打てている状態になり、上記の競合や市場も弾き出しやすくなります。

市場規模に関しては、

課題×価値観点緊急性・重要性×解決策・優位性の構築方法

から、TAM、DAM、SOMを判断していく必要があります。

ここまでで、対象ユーザー数(企業数)も見えてきて、具体的な市場規模のイメージがついてくるので、ある程度企業数は把握しておく必要があるのと、重要な点は対象市場において『無消費層』の把握が重要だと個人的には考えています。

4,競合が課題を解決できない理由

私自身、この競合が絶対的に解決できていない背景と、その課題を独自の価値・解決策を発見することが、大きな事業の種(seed)になると考えてます。


4-1.事業の本質的な種の発見現在まで対象の課題が残存している理由は何か


ここで

・大きな参入障壁(競合数や自社で独自の解決策が提供できない)
・技術的なハードル
・参入機会(トレンドやニーズが現状では追いついていない)
・市場の小ささ(蓋を空けたら市場が小さかった)
・CACとLTVが合致しない
・自社のサービスとのカニバリ
…etc

例を出しましたが、ここではもっと深堀していく必要があります。

個人的には、以下の2,3の解像度を高めて、競合が課題を解決できない理由も解像度を上げられると、無消費層を発見する大きな発見になると考えています。

2,対象の「顧客」と「課題」
3,外部環境・競合性からポジショニングと優位性を描く

これまでの調査で

『競合が解決していない(競合ではない企業が参入していない)領域に課題が残存している』
ということは
「課題を持っているユーザーは、何かしらの代替手段で対処していて、新しい解決策を探している(無消費状態)」

と考えられるので、こうした無消費の層の発見をしていく必要があります。


4-2.顧客の声を拾う意味と本質


無消費層の発見をするための具体的な方法は「ユーザーを観るようにヒアリング」(もちろんヒアリングを行う以外の手法もありますが)するが、最も重要なのですが、そのヒアリングもユーザーの声を聴くだけではNGです。

(自分にも言い聞かせるためにも)何度も書きますが、ジョブズが言うように

「顧客は自分たちの欲しいものはわからない」

なので、ヒアリング時にユーザーから、“答え”を聞くヒアリングするのは、本当に意味のない行為だと、私は考えてます。

そうではなく、ヒアリング時は『顧客の本質的なニーズを知るために聴く』というスタンスが重要です。

5,リーンキャンバス作成のご相談(事業相談・ディスカッション)承ります

今回は、リーンキャンバスついてお伝えしました。

1,リーンキャンバスの考え方
2,対象の「顧客」と「課題」の深堀
3,無消費層の発見

リーンキャンバスは、フレームワーク故に、作業的になってしまいがちですが、「事業の整理」と「課題の発見」を行うために用いることを忘れずに進めなければいけません。

プロダクト開発の初期段階で、構想アイディアを、リーンキャンバスを使って高速で事業検証を行う必要があります。

DeFactoryでは、アイディア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、プロダクト開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。

また、経験豊富なエンジニアと事業開発経験者で、開発だけでなく事業設計から「一気通貫」した事業開発の伴走を行ないます。

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この記事を書いた人
DeFactory代表取締役 事業開発、デジタルマーケティング(検索領域)、グロースハックが得意領域です。 事業の壁打ちのご相談お受けしております!

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