スクラム開発の特徴とは?必要な役割や開発の進め方を詳しく解説

プロダクト開発における開発手法は多岐に渡りますが、中でも「スクラム開発」という言葉を耳にする機会は多いのではないでしょうか。

スクラム開発とは、迅速な開発手法として注目される「アジャイル開発」の手法のひとつです。

今回は、「スクラム開発」についての基本的な内容や特徴・開発の進め方から導入に至る際のメリット・デメリットについても詳しく解説します。

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1.スクラム開発はアジャイル開発の手法のひとつ

プロダクト開発でよく耳にする「アジャイル開発」とは、そもそもどのような手法なのでしょうか?

1-1.アジャイル開発とは?

アジャイルは英語でAgile、日本語では「素早い、機敏な」などの意味を表す形容詞。

小さな作業単位で「設計→開発→テスト」を繰り返し、ユーザーの反応やデータを見ながら開発するマネジメント手法です。

プロダクト開発の代表的な手法である「ウォーターフォール開発」と比べ、小さな作業単位により全体のシステム開発にかかる時間を短縮、スピーディーに開発を進められるため、世界で採用されている手法です。

アジャイル開発には多くの手法が存在しますが、代表的な手法には

「エクストリーム・プログラミング(Extreme Programming)」

「ユーザー機能駆動開発(Feature Driven Development)」

そして今回解説する「スクラム開発」があります。

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1-2.スクラム開発とは?

前述したように「アジャイル開発」には3つの手法があります。

・「ユーザー機能駆動開発(Feature Driven Development)」

 ログイン機能や購入機能などユーザーに取っての機能価値(Feature)を重視した開発手法

・「エクストリーム・プログラミング(Extreme Programming)」

仕様や要求変更、機能追加などをあらかじめ想定した、技術者を重視したプログラマー中心の開発手法

スクラム開発は上記2つの手法とは異なる着眼点で、チームでの開発が特徴です。

ラグビーのスクラムが語源となっており、ラグビー選手がスクラムを組むようにチーム一丸となって開発に取り組む手法です。

チームの定めた”スプリント”と呼ばれる短い期間を単位として、少人数のチームメンバーが、目的を達成するために協力しながら開発を進めることを特徴としています。

もう一つの特徴として、スクラム開発では「バックログ」と呼ばれるチームのリストを定義しています。

チームが達成すべき目標や実現すべき機能などを明記した作業計画書であり、

計画全体の進捗を管理できるキャンバスともいえます。

バックログは2種類、「プロダクト・バックログ」と「スプリント・バックログ」が存在しています。詳しくは、後述の「スクラム開発の進め方」で解説します。

バックログ設定後に、実際の作業に取り掛かる段階へと進みます。

2.スクラム開発の役割と進め方

スクラム開発には3つの明確な役割があり、それぞれの責任が定義されています。

2-1.スクラム開発の主な3つの役割

スクラム開発における3つの役割を紹介します。

・プロダクトオーナー

プロダクト開発の責任者。「どのような機能が必要か」「この機能の優先順位は?」など、プロダクト全体を俯瞰し、価値を最大化する責任をもちます。

・スクラムマスター

プロジェクトを円滑に進めることに責任をもつ調整役。スクラムをチーム全員が理解し、開発を実践しているかをチェック、チームの成果を最大限に引き出すことに注力します。

・開発メンバー

開発に関わる人すべて。各メンバーが設計・実装・テスト・運用など、チームとして成果を出します。

苦手分野があったとしてもスクラムチーム全体として調整を行いながら、全てのメンバーが横断的にスキルアップすることを目指します。

2-2.スクラム開発の進め方

スクラム開発のプロジェクトは、スプリントと呼ばれる短いサイクルを繰り返しながら進めます。ここでは、基本的な流れを見ていきましょう。

・プロダクト・バックログの作成

開発中のシステムで優先される機能や技術的改善要求、現状で解決が必要な課題や問題点について一覧にしたリストが「プロダクト・バックログ」です。

常にメンテナンスし、リストの一番上に最重要項目が表示されます。プロダクトオーナーがプロジェクト全体を俯瞰し、直近の改善点、優先順位を判断するための重要な役割を果たします。

・スプリントプランニング(スプリント計画)

チームが定めた”スプリント”と呼ばれる期間を単位とします。スプリントで達成したいゴールを検討し、スプリントゴールの達成に必要な「プロダクト・バックログ」アイテムを選定し、実行計画書を作成。

これら3つを合わせたものが「スプリント・バックログ」(チームのタスクリスト)です。

この期間で何が達成できるのかを実現可能なタスクレベルに詳細化した、開発者のための計画書です。

・デイリースクラム

スクラム開発では、毎日決まった時間に会議を行います(デイリースクラム)。ここで日ごとの進捗報告を実施し、進捗に応じて作業を調整します。

スクラム開発ではコミュニケーションを重視するため、報告の機会を多く設け、チーム内で起こっている課題なども随時共有、即時対応していきます。

・スプリントレビュー

スプリント最終日に、成果物のテスト・評価を実施します。バックログで定義された基準を満たしているかどうかが評価のポイントです。

レビューの結果によっては、仕様変更を行い、再びバックログを作成することもあります。

・スプリントレトロプロスペクティブ(振り返り)

スプリントの振り返りミーティングのこと。スクラム開発では、単一のスプリントで開発が完了することはなく、スプリントを繰り返し行います。

今回のスプリント内でのよかった点・課題点を分析し、改善策を議論。その結果を次のスプリントに活かしていきます。

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3.スクラム開発を導入するメリット・デメリットとは?

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スクラム開発を導入するのは、どのような開発が向いているのでしょうか?開発に合った手法を選ぶためにも、スクラム開発のメリット・デメリットについても理解を深めておきましょう。

3-1.スクラム開発導入のメリットとは?

スクラム開発導入のメリットを3つ紹介します。

メリット①:課題解決が早い

チームで日々ミーティング(デイリースクラム)を行うため、プロジェクトの現在の進捗や課題点を確認できます。そのため、問題の軌道修正も即時対応できます。

メリット②:生産性が高い

スクラム開発では、従来の開発方法よりも短い期間での開発が可能になります。

また、チームでのコミュニケーションが密なため、開発メンバーのスキルも把握しやすく、生産性と品質の向上を図れます。

メリット③:開発工数の見通しが立てやすい

アジャイル開発の中でも特に短い「スプリント」という単位で開発を行うため、工数の見積もりを正確に行えます。

必要な機能から順に開発を進められ、問題も早期発見できるので、失敗も少なく見通しが立てやすいのが特徴です。

3-2.スクラム開発導入のデメリットとは?

スクラム開発導入のデメリットを紹介します。

デメリット①:チームメンバーにより開発の質が異なる

スクラム開発はチームワークが特徴です。メンバー個々の技術レベルに大きな差がある場合は、メンバーへの教育が必要となり、その分の時間を要してしまいます。

またメンバーの入れ替わりや新規採用が重なると、新たな教育や受け入れ態勢を整えるために時間がかかり、開発リズムが崩れてしまう恐れがあります。

デメリット②:高いコミュニケーション能力が求められる

毎日行われるデイリースクラムなど、ミーティングが多く、高いコミュニケーション能力が求められます。

また、ミーティング時には簡潔に自分の課題を共有する必要があり、高い言語能力、情報処理能力も求められます。

チーム戦なので、特定のスキルが高くても、コミュニケーション能力が低いメンバーがいると、うまく機能しません。

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参考サイト:スクラムで失敗する5大理由とその対策としてできること

3-3.スクラム開発との相性を見極めたうえで導入を検討

スクラム開発は人気のフレームワークですが、前述したようなデメリットもあり、どんな組織にも適しているというわけではありません。大規模で複雑な開発に対して適応しているか否かは、組織や自社の体質との相性を慎重に見極める必要があるでしょう。

しかし、今の時代の変化の速さによるサービス変更やユーザーへの対応を臨機応変にしなければならない場面が多い開発では、従来のような開発よりも各段にスピードが上がるのも事実です。

良くも悪くも仕様がはっきりと固まっていない、ユーザーの声を重視して柔軟に対応しつつ、スピードを求められるような開発には向いているといえるでしょう。

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スクラムの手法を取り入れつつ、経験豊富なエンジニアとマネージャーが伴走支援しますので、初めてスクラム手法を行なう方でも、安心のサポート体制です。

4.まとめ:「スクラム開発」に関する支援を承ります

今回は「スクラム開発」とは何か、特徴や開発の進め方について解説しました。

スクラム開発は、アジャイル開発の中で最も取り入れられている手法のひとつです。

しかし、導入する場合には、メリット・デメリットについてもしっかり理解し、自社の開発に適しているかを検討した上で進めていくことが大切です。

DeFactoryでは、アイディア着想、ユーザーヒアリング、テストマーケティング、アジャイル・MVP開発と、プロダクト開発における立ち上げ支援を全力サポートいたします。 

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この記事を書いた人
DeFactory代表取締役 事業開発、デジタルマーケティング(検索領域)、グロースハックが得意領域です。 事業の壁打ちのご相談お受けしております!

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