Shopifyで自社ストアを運営している方を悩ませる、課題の一つがカゴ落ち(カート落ち)です。カゴ落ちによる損失は大きく、実はカゴ落ち対策を行うことで利益が大幅に改善するケースもあります。
ここでは、Shopifyでカゴ落ちとは何か、起こる原因や具体的な対策方法と併せてご説明します。
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カゴ落ちとは、ECサイトにおいてユーザーが商品を買い物カゴに入れたにも関わらず、最終の決済段階まで進まずに途中で離脱してしまうことです。「カート落ち」や「カート放棄」と呼ばれることもあります。
ShopifyのようなECプラットフォームを利用する店舗では、このカゴ落ちが大きな問題となっています。
アメリカのBaymard Institute社の2024年度の調査では、平均で約70.19%のユーザーがカゴ落ちをしているという結果が出ました。
出典:Baymard Institute「49 Cart Abandonment Rate Statistics 2024」
つまり、100人の顧客がカートに商品を入れた場合、そのうち70人は購入手続きを完了していないことを意味します。こう考えると、かなりインパクトのある数字ではないでしょうか。
このカゴ落ちが引き起こす機会損失は非常に大きく、売上の約2倍に達するともいわれています。例えば、月間売上が100万円の店舗であれば、カゴ落ちによる損失額は200万円に相当する可能性があるのです。そのため、カゴ落ち対策はECサイト運営において極めて重要な課題といえます。
なお、Baymard Institute社のデータは49ものさまざまな調査や研究に基づいた平均値であり、実際のカゴ落ち率はECサイトやストアによって異なるでしょう。
1-2.Shopifyでカゴ落ち(カート落ち)率を計算する方法
Shopifyのレポート機能に「カゴ落ち率」という項目はありませんが、アナリティクス内のダッシュボードにある「コンバージョン率」から計算可能です。
ちなみに、チェックアウトフローで離脱している割合も以下の計算式で算出できます。
Shopifyでカゴ落ちが起こる原因には、かなり多くのものが考えられます。その中でも主な原因を、いくつか見ていきましょう。
カゴ落ちの最も多い原因だといわれています。カートに商品を入れて最終的な料金を確認した際、送料や手数料の高さに驚いて購入をやめるユーザーも多くいます。送料や手数料を含めると思った以上に料金が高くなる場合、顧客の購入意欲を削いでしまうでしょう。
ユーザーが商品をカートに入れてから購入を決断するまでの間、他の作業や考え事をしているうちに買うことを忘れてしまうことがあります。つまり、単純な買い忘れです。特に、多くの商品を比較検討している場合や、長時間にわたってサイトを閲覧している場合に起こりやすいです。
購入手続きを進める際に、多くの情報を入力する必要がある場合、その手間に嫌悪感を抱いて購入を断念するユーザーもいます。ちょっとした買い物をしたいだけなのに、決済に至るまでの入力項目が多いと、面倒になって離脱してしまうのです。特に、スマートフォンを利用している場合や、時間が限られている場合は、入力の煩わしさがカゴ落ちにつながります。
用意されている決済方法が少ないと、ユーザーが希望する支払い方法が選べずに購入を断念することがあります。ユーザーの中には、クレジットカードの情報を教えたくない、という方もいるでしょう。クレジットカード、PayPal、銀行振込など、複数の決済方法に対応しておかないと決済の最終段階でカゴ落ちが起こる可能性が高まります。
初めて利用するサイトでは、会員登録やアカウント作成を求められることがよくあります。しかし、アカウント・パスワード管理を負担に感じたり、今後も利用するか分からないし、特にメリットもないのに新規登録はしたくないと思うユーザーも多いでしょう。
値段にも納得して決済画面までスムーズに進めたが、肝心の商品が到着するまで2週間以上かかる、と分かれば離脱するユーザーもいるでしょう。すぐに欲しいとは思っていなくても、予想以上に到着まで時間がかかる場合は購入意欲をなくしてしまいます。
カゴ落ちの具体的な対策方法を、いくつか見ていきましょう。
3-1.送料・手数料を無料にする
送料や手数料を無料にすれば、ユーザーが支払うのは自分が購入したい商品の合計金額だけで済みます。最終的に支払う金額の計算がしやすくなり、購入のハードルも下がるのでカゴ落ち防止につながります。
また「5,000円以上購入で送料無料!」などのように、送料が無料になるラインを設定するのも良い方法です。ユーザーとしては「送料が無料になるまで商品を追加しよう」という心理が働き、AOV(1回あたりの平均購入金額)の底上げにもなります。
3-2.自動入力機能を追加する
郵便番号を入れれば住所が途中まで自動で入力されたり、入力バーをタップするとこれまでに使用したことのあるメールアドレスや電話番号が表示されるなど、自動入力機能を追加するとユーザーの手間を大幅に省けます。
3-3.ログイン方法・決済方法を増やす
AppleIDでログイン、Googleでログインなどログイン方法を拡充することで、ユーザーは新規でアカウントを作成する必要がなくなります。既存の他サービスのアカウントを使えることで個人情報などを新しく入力する必要もなくなり、購入までのハードルは下がるでしょう。
同じように、決済方法を増やすことでユーザーは自分の都合の良い方法で決済できるようになり、購入に至りやすくなります。
3-4.リマインドを送る
メールなどのリマインド通知を送ることで、商品がまだカートにあることをユーザーに伝える方法です。ただ忘れていただけ、というユーザーを取りこぼさずに済むようになります。
Shopifyの売上改善のために、カゴ落ち対策と併せて行っておきたいのがレコメンドです。
レコメンドとは、顧客が興味を持ちそうな商品を自動的に提案するシステムです。レコメンドは、ユーザーの過去の購入履歴や閲覧履歴を分析し、それに基づいて関連商品や人気商品を提示します。これにより、ユーザーは自分の好みやニーズに合った商品を見つけやすくなります。
など、レコメンドのメリットは多岐にわたります。
カゴ落ち対策によってユーザーが自社ストアを再訪した際に、レコメンドを同時に行い回遊を促して最適な商品を提示することで、購入率を高めることが可能です。
カゴ落ち対策で一度ストアを離脱したユーザーを集客することで、レコメンドだけでは狙いにくい層にもアプローチできるようになります。また、レコメンドを通じてユーザーが新しい商品を発見できるようになれば、ユーザー自身が今まで気付いていなかった潜在的なニーズに応えることもできます。
このように、カゴ落ち対策で失われかけた売上を取り戻し、レコメンドでクロスセル・アップセルを促すことで、売上の最大化につなげられるのです。
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カゴ落ち対策と同時にレコメンド対策をしたい方におすすめなのが、レコメンドエンジンの「PeecAI」です。PeecAIは、レコメンド機能とカート落ち防止機能を同時に提供する画期的なレコメンドエンジンです。
PeecAIは、レコメンドによる回遊促進だけではなく、カート落ち防止機能による購入促進も同時に対策することで、大幅な収益改善に寄与するという点が大きな強みといえます。
PeecAIのレコメンド機能とカート落ち防止機能、それぞれの特徴を見ていきましょう。
PeecAIは、レコメンド機能とカゴ落ち防止機能を同時に提供する画期的なレコメンドエンジンです。
PeecAIの大きな特徴は、以下3種類のAIアルゴリズムによって一人ひとりのユーザーに合わせた最適なレコメンドができる点にあります。
これらのAIアルゴリズムを用いて、ユーザーの行動・購入履歴などをリアルタイムで分析することで、ユーザーが興味を持ちそうな商品をレコメンドでき、購入意欲を高める効果が期待できます。
PeecAIのカート落ち防止機能には、大きく分けて以下の2つがあります。
5-2-1.プッシュ通知機能
ユーザーがレコメンド経由でカートに追加した商品がある場合、プッシュ通知によって決済を促進する機能です。通知の頻度や表示するメッセージの内容はカスタマイズできます。プッシュ表示数やプッシュクリック数、クリック率の3つのデータを収集でき、分析に有効活用できるのも特徴です。
5-2-2.送料無料ライン引き上げ機能(Free-shipping Booster)
PeecAIはただのレコメンドエンジンではなく、ここまで解説してきた送料無料バーを活用することもできます。表示できるページはカートページのみですが、表示する場所自体は選択可能です。
表示されるタイミングは、送料無料ラインに設定した金額の50%に達した時です。例えば、送料無料ラインを5,000円に設定している場合、カート内が2,501円に達した時に表示されます。
なお、送料無料バーは四角の枠で表示されますが、角の丸みやテキスト内容などはカスタマイズ可能です。
初期費用は0円で、有料プランも$29~と導入しやすい価格です。送料無料を実現するとともに、レコメンドアプリを利用したい企業に最適といえます。
PeecAIを利用するメリットや、強みとなる機能、向いている商材などについては以下の記事でより詳しく説明しているので参考にしてください。
関連記事:Shopifyレコメンド「PeecAI」の3つの強みと成果についてご紹介!
カゴ落ち(カート落ち)はECサイト運営において大きな課題ですが、送料の見直し、情報入力の簡素化・自動化、決済方法の拡充など、適切な対策を実施することで大幅に減少させることが可能です。
さらに、カゴ落ち対策とともにレコメンド対策を行うことで、購買促進と同時に回遊促進にもつながり、利益の最大化を実現できます。
カゴ落ちとレコメンドの両方を同時に対策したい場合は、PeecAIのようなレコメンドエンジンの活用をぜひご検討ください。