以前、こちらのブログで、レコメンドエンジンの成果についてご紹介させて頂きました。
22年9月に公開しましたPeecAIでは、成果が出るパターンと成果が出ないパターンが、傾向として見えてきたので、今回は本記事でアップセル・クロスセル対策として活用する情報として活用できるように、ご紹介させて頂きます。
これまで大規模サイトや大手モール(Amazon、Yahoo、ZOZOtown等)で、レコメンドエンジンの重要性等が、過去10年以上(Amazonにおいては20年以上前から)前から触れられていて、マッキンゼーのレポートによると、「巨大小売企業であるAmazonでは、レコメンド機能による売上が35%を超えている」というデータもあるようです。
これまでも、国内のレコメンドエンジン製品や業界の流れを見ると、大規模サイトを中心にレコメンドエンジンが導入されていたような流れとなっております。
その理由としては「膨大なデータ量」を元に、機械学習のモデルを活用した、顧客提案(レコメンド)が実現してきた背景があります。
しかし
①規模(規模が小さい=売上が少ない=データ量が少ない)
②コスト(小規模・中規模事業者(*)は利用価格に沿うような費用対効果が得られない)
の観点で、小規模・中規模事業者に対しては、導入が進んでおりませんでした。
*ここでは、月商300万円~1億円、と定義します
単純にAmazonと自社サイト(Shopify等で販売するサイト)の規模、商品数、データ量観点では、比較ができませんが、データ活用×小規模・中規模の自社サイトでの運用も場合によっては、レコメンドがフィットする時代に少しずつなってきたのかと感じています。
ひとえにECサイトの運営と言っても『商材、購入のされ方、購入単価、購入頻度、運営者の運営マーケティング方法』等によっても、レコメンドエンジンとの相性は様々です。
ここでは、どのパターンに相性がいいのか、例を用いて紹介していきます。
関連記事:Shopifyのレコメンド・レコメンドエンジンとは?メリット・デメリットとおすすめアプリ
PeecAIの成果についてご紹介した記事「Shopifyレコメンド「PeecAI」の3つの強みと成果についてご紹介!」でも、少し触れさせて頂きましたが、一定の売上や注文数(データ量)が重要となります。
一定の規模や運営期間があると、それなりに自社ECサイト上の売上や販売経験が蓄積され、最も売れるパターンや傾向が見えてきたりします。
特に1注文において複数の商品が購入されやすい(合わせ買い)が発生しやすい以下の商材は、レコメンドの活用としては、成果が出やすくなる傾向もあります。
・アパレル/アクセサリー(鞄、靴等の小物含む)
・スキンケア
・食品/飲料
・美容
・家具/インテリア
これらの商材の共通点としては、1カテゴリにおける商品数やSKU数が多い商材、ユーザー側が選びにくい、購入時に迷ってしまう等の課題がある商材です。
単品通販、サブスクリプション型(定期通販型)があります。
単品通販は、1つの種類に商品を絞って販売を行うECサイトのビジネスモデルです。対照的に毎月購入を頂くようなモデルで、定期型があります。
これらの軸においても、単品通販・定期通販だから、という理由でレコメンドの解決策が最適なケースとそうではないケースがあります。
アップセル・クロスセルのおいては、単品通販でも定期型でもどちらのケースでも課題感的にはレコメンドがフィットする場合がありますが、定期便においては、CRM施策やメルマガ施策、トライアル施策等、レコメンド以外でもできる対策はあります。
レコメンドの活用においては、単価による大きな違いはありませんが、規模が一定以上あるようなブランド様で、単価が高い商材のアップセル、クロスセルを狙う場合のレコメンド活用は、収益としてインパクトが出やすくなる傾向があります。
しかし、単価が安いフロント商材と一緒に購入されるクロスセル商品があるようなブランド様ですと、このフロント商材に対してレコメンド商品を提示して、クロスセルを狙う、という施策が役立つ場合があります。
ECサイトの運営者の担当者やブランドによって、販売方法や戦略が異なるので、一概にレコメンドを活用したからといって、成果が出るとは限りません。
特に自社ECサイト初期フェーズであれば、データがなく、レコメンドの成果が出ない場合がほとんどです。
特に
・広告を軸にして新規顧客獲得
・ファン作りやブランド作りを行う
・既存顧客から収益を獲得するのか
等、運営方法や顧客獲得方法、収益の軸により、レコメンドの必要性は変わります。
特に新商品やキャンペーン、セール等の企画を行うようなブランド様だと、発信するコンテンツが豊富になるゆえに、レコメンドが活きる場合もあります。
関連記事:アップセルでShopifyの顧客単価を高めよう!実施のポイントも解説
一般的には、レコメンドの製品により、成果を出せるための「規模」や「データ量」があります。
PeecAIのご利用目安としては「月商300万円~|月間注文件数1,000件~」を成果が出やすい最低限の導入規模の条件として定義しております。
相性が良い「商材・購入単価・購入方法・運営状態」等はありますが、まずは上記の規模を目安にして頂けると幸いです。
自社ECの運営において、全く施策をしていなかった場合、データ量が商品数がそもそも足りない場合があります。データ量が足りない場合は、他施策を通じて、売上規模を上げてから、導入を検討した方がよろしいかもしれません。
主に以下に該当するケースが多ければ、レコメンドの活用をご検討された方がよいかもしれません。
特にサイト内の顧客体験を大切にしていかなければ、製品やブランド、またマーケティング施策が最適化されていても、肝心の購入場所(サイト)の状態が悪いと離脱してしまう要因になります。
レコメンド導入で、顧客体験の向上・顧客体験改善するために導入する、という観点を持つと、成果が出やすくなるパターンも増えています。
まず前提として、レコメンドを行う際に重要視するべきポイントとしては、レコメンドを行う際の、仮説や意図があること、です。
PeecAIの場合は、カスタマイズ機能があるため、機械学習を用いたレコメンドであっても、運営者の意図や運営方法が反映されやすく、顧客体験を作りやすい製品となっています。
どこまでいってもECサイトは店舗と違い、常に店員がいない状態なので、100%店員の代わりにならなくても、レコメンドは、EC運営の補助機能として用いることで、顧客体験をより良くするために必要なブランド様があると信じています。
・商品数(30商品~)が多く、特定商品への依存が高い
・サイト内の離脱率/回遊率が低い
・新規顧客単価が上がっている
・LTVが低い(これまでレコメンド以外のLTV改善施策を行ったがより改善したい)
・1注文当たりの単価が下がっている
上記の一連の課題に対して施策を行っても課題がある場合は、レコメンドが活用できる余地があると考えられるので検討してみてもよろしいかもしれません。
・商品数が少ない(10商品以下)
・規模が小さい(例:月商300万円未満)
・注文数が少ない(データがない状態)
・十分な施策を行えていない
安易にレコメンドを回しても、顧客体験を阻害することに繋がる可能性もあるため、マーケティング施策、中長期的なブランド構築施策を検討した上でご検討ください。
レコメンドの良し悪しや検討基準についてまとめてきました。
・アップセル・クロスセルを通じて、既存顧客のLTVを上げたい事業者様
・新規顧客のCVRを改善したい事業者様
顧客体験改善の一環として、ご利用をご検討をしてみてくださいませ。
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