Shopifyは自社のブランド力を伸ばしながら、顧客に対して効率的なアプローチが可能なECプラットフォームです。しかし、ただShopifyで自社のECサイトを開設したとしても、集客ができないとあまり意味がありません。
この記事では、Shopifyで集客に困っているときにどのようなマーケティングを行うべきなのか、具体的な手法12選をご紹介します。
そもそもShopifyは、どのような点に強みがあるのでしょうか。Shopifyの強みをあらかじめ知っておくことで、より効果的なマーケティングにつながります。
主なShopifyの強みとしては、以下3点が挙げられます。
Shopifyの大きな特徴が、日本国内のみならず海外に向けたマーケティングに向いていることです。日本語・円だけではなく多くの言語・通貨に対応しているうえ、海外配送の手配もできます。商品によっては、国内に加え海外市場も視野に入れることで、商品の売り上げを効率的に伸ばせるでしょう。
Shopifyは、各種SNSとの連携機能が充実していることも強みです。TwitterやInstagram、Facebook、Pinterestなど世界中にユーザーがいるSNSを活用できます。SNS上で商品の画像や詳細を確認し、そのまま購入までできる仕組みも作れるため、うまく取り入れたいところです。
Shopifyでは数多くのアプリをインストールでき、さまざまな機能を実装することが可能です。2022年時点で6,000種類以上のShopifyアプリがあり、その中から適したものを利用することで、LTV向上や顧客管理、SEO対策などにもつながります。
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ここからはShopifyで行うべき具体的なマーケティング手法を、12個ご紹介します。
オーガニック(検索)施策・Paid(広告)施策・ソーシャル(SNS)施策・リファラル(紹介・クチコミ)施策の4つに大別して説明するので、自社商品のカラー、ターゲットなどに合わせて適切なものを活用しましょう。
ユーザーによる検索エンジンでの検索から、集客を狙う施策です。
自社のホームページやオウンドメディアなどに、ユーザーの悩み・疑問点を解決できる記事などのコンテンツを継続的に投稿し、Googleや Yahoo!などの検索エンジンからの流入を狙う手法です。
ユーザーは、SNSだけではなく検索エンジンも使って情報収集をします。なお、自社商品に合ったキーワード検索からユーザーにアプローチするには、SEO対策も重要です。
コンテンツマーケティングと似ていますが、ここでのブログマーケティングはShopify上のブログ作成機能を活用する手法を指します。手軽にECサイト内にブログを作成できるためコストも抑えられ、実践しやすい手法です。
なお、ブログの作成時もSEO対策は必要になるので、基本的な考え方はコンテンツマーケティングと同様と考えてよいでしょう。
Paid施策は、メディアやSNSなどに広告を出稿する施策です。相応のコストはかかってしまいますが、その分露出を増やすことができます。
検索エンジン(Google・Yahoo!など)やSNS(Twitter,Facebook,Instagram,LINE )で、広告を出稿するマーケティング手法です。特定のユーザー層や検索キーワードに合わせて広告出稿が可能なので、自社のターゲットに対してダイレクトにアプローチすることができます。
効果が期待できる反面、運用の難度が高くコストもかかりがちなので、専門スタッフの協力が求められるでしょう。
アフィリエイトパートナーやサードパーティー企業にインセンティブを支払い、自社商品の広告を出稿する手法です。ユーザーは自身のWebサイトやブログなどにアフィリエイトリンクを設置し、リンク経由で商品が売れた場合に何%かの報酬が得られる仕組みです。
Shopifyアプリには、アフィリエイトマーケティングを行えるものもあるため、積極的に活用しましょう。
SNSは現代人の生活に欠かせないツールで、TwitterやInstagramなどでトレンドや欲しい商品の情報・評判を収集し、購入を決意する消費者も多くいます。最近では、ライブ配信をしながら商品の魅力を紹介し、リアルタイムで販売する「ライブコマース」も行われています。
SNSを活用した施策には、次のようなものがあります。
多数のフォロワーやファンがすでにいるインフルエンサー(社会的な影響力が強い人)に、自社商品について発信してもらい、ブランドイメージ・認知度・購買数などの向上などを図る手法です。
人によっては数十万人〜数百万人のフォロワーがいるため、一挙に多くの人にリーチできることがメリットといえます。
UGCとは、User Generated Contentsの頭文字で、「ユーザーが生成したコンテンツ」という意味です。具体的には、ブログなどの記事、SNSなどの投稿がUGCにあたります。このUGCを積極的に活用するのが、UGCマーケティングです。
商品の写真や動画、また実際に使用してみた所感なども投稿されると、その商品が気になっていた他の人が参考にし、新たな購買につながるのです。UGCが作られやすい仕組みにすると、自社のマーケティング以外にも、ユーザー自身が効果的なマーケティングをしてくれるようになります。
なお、インフルエンサーマーケティングはUGCマーケティングの一種ともいえるかもしれませんが、UGCは基本的に一般ユーザーによる投稿を活用する方法です。投稿者一人ひとりに報酬を支払うわけではありません。
また、後述のクチコミマーケティングとも類似点はありますが、UGCはクチコミだけではなく写真や動画も含みます。例えば、2009年にバーバリーが行った「Art of the Trench(トレンチコートの芸術)」という一般ユーザーからトレンチコートのコーディネート写真を募ったキャンペーンも、UGCマーケティングの一つです。
ここでいうYouTubeマーケティングとは、単にYouTubeを使って商品の宣伝をすることではありません。Shopifyでは、YouTubeを活用した独自のマーケティングを行えます。
2022年7月、「Shopify Japan」はYouTubeとパートナーシップを結びます。その結果、ShopifyにてECサイトを運営する企業が、Google連動アプリ「Googleチャネル」を導入することで、YouTubeショッピングという機能を利用できるようになりました。
YouTubeショッピングの利用にはGoogleが定める条件を満たす必要がありますが、以下3つの機能が活用できるのでメリットは大きいでしょう。
「このアカウントをフォロー&対象の投稿をリツイートで○○をプレゼント!」という投稿をSNS上で見たことはないでしょうか。ギフティングとはまさにこの手法を指し、SNSを活用してユーザーにギフトを贈ることで、アクティブなユーザーの増加が期待できます。
自社のShopifyストアに会員登録しているユーザーに対して、メルマガを定期的に送る手法です。すでに会員登録しているユーザーが対象なので、新規顧客の獲得にはつながりにくく、あくまでも既存顧客のリピートを促進するマーケティングだと考えてください。
会員しか知ることができないお得な情報や、ブランドイメージの向上につながる情報などを発信することで、既存顧客との関係をより強固なものにできます。
メルマガマーケティングをするにはリストが必要ですが、SNSや検索エンジン経由で獲得したかによって戦略が異なります。それぞれの集客経路に合った内容を考えましょう。
リファラル施策は、「紹介制度」を活用した手法です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
紹介プログラムとは、例えば友人や家族など新規顧客を紹介した既存顧客に対して、クーポンなどの特典を配布するシステムです。新規顧客に対して、同等の特典を配布することもあります。
紹介された新規顧客は、既存顧客と同じように自社商品やブランドに高い興味・関心があると思われるため、固定化もしやすいことが特徴です。
Shopifyでは、ストア上にユーザーによるクチコミ欄を設けることができます。生の声を見られるようにすることで、Shopifyでの買い物中に評判を確認できるため、満足度の高い購買につながります。
ただし、ユーザーに何もメリットがないとなかなかクチコミを書き込まないものです。クチコミマーケティングを活性化させるには、クチコミを書く代わりにクーポンを配布する、などの特典を準備する必要があるので、ある程度のコストはかかるでしょう。
参加すると何かしらの景品や特典がもらえるイベントを開催し、集客増加を見込む手法です。イベントはSNS上で行うことも、リアルに集まって行うこともあり、オンライン・オフラインを問わず企画できるでしょう。ただし、イベントの開催には、時間の面でも人件費の面でも相応のコストが必要です。
最後に、Shopifyでマーケティングを行う際に意識したいポイントをいくつかご紹介します。
日本人の7割以上は、モバイル端末でECサイトを利用するといわれています。そのため、ShopifyでECサイトを構築する際も、モバイルユーザーのことを考慮したサイト設計にすることが重要です。商品やコンテンツ、UIなどの見やすさ・分かりやすさなどを、随時モバイルユーザー目線でも確認しましょう。
モバイル最適化の結果ユーザーの満足度が向上し、他の施策も並行して行ったことでCVRが大きく改善されたケースもあります。
関連記事:ShopifyのCVRを改善するには?業界別の平均CVRと併せて解説
数あるマーケティングの中には、ローコストでできるものと相応のコストがかかるもの、すぐに効果が見えやすいものと効果が出るまで時間がかかるものなど、さまざまな手法があります。「短期的に効果が見える・ローコスト」などは魅力的に思えるかもしれませんが、マーケティングは長い目で見ることも大事です。
短期的施策だけではなく中長期的施策も組み合わせることで、より継続的に利益を生み出せるでしょう。
LTVとは「Life Time Value」の頭文字を取った言葉で、「顧客が生涯の間に支払ってくれる金額」を意味します。短期的なマーケティングで一度だけ購入する顧客よりも、長期的に何度も購入してくれる顧客のほうが、企業としては良い関係を築けます。
マーケティングを行うなかで、いかにして顧客単価を上げ、またリピートしてもらえるかを考えることがLTV向上につながります。LTVについての詳細は以下で解説しているので、併せてご確認ください。
関連記事「Shopifyの集客で必要なLTVとは?LTVを向上させるポイントについて解説」
Shopifyは、「海外マーケティングが行いやすい・SNSと連携しやすい・アプリが充実している」などの強みがあるECプラットフォームです。Shopifyでマーケティングを行う際には、これらの強みを活かせる方法を考えることが重要といえます。
特にSNSを使ったマーケティングや、クチコミが増えるようなマーケティングは、多くの層にアプローチできるため積極的に取り入れたいところです。
また、アプリが充実しているShopifyでは、集客やLTV向上につながるアプリなどさまざまなものがあります。Shopify運営において重要視するべきLTVの改善を効率的に行いたい場合は、ぜひDeFactroyのレコメンドエンジン「PeecAI」の導入もご検討ください。