hopifyはオンラインで自社商品を販売できるだけではなく、自社のブランド力を高めるためにも効果的なプラットフォームです。しかし、Shopifyでの集客が今ひとつ伸びない、単価が上がらないなどでお悩みの方もいるかもしれません。
そこで今回は、顧客単価を上げたい時に考えるべき要素の一つ、アップセルについてご説明します。アップセルの考え方をうまく活用して、顧客単価だけではなく顧客体験の向上を目指しましょう。
Shopifyは、自社のオンラインストアを開設できるECサイトプラットフォームの一つです。日本国内だけではなく、海外発送や各種通貨への対応なども整っているため、グローバルにビジネスを展開したい事業者にも向いています。
Shopifyでは、「ECサイト事業者(Shopify)→出品者→消費者」という構図で取引を進めるため、出品者と消費者がより近い関係性を築きながら、販売を行えることが強みです。
このようにD2C(ダイレクトトゥーコンシューマー)というビジネスモデルに強みを持つため、Shopifyは自社製品・自社ブランドの魅力を直接消費者に伝えるには最適なプラットフォームといえるでしょう。
なお、利用料金は「月額29ドル〜/14日間無料・初期費用無料」と、初期費用をできるだけ抑えながら、手軽にECサイトを開設できる点もShopifyの大きな魅力です。
アップセルとは、現在購入を検討しているものや以前購入したものよりも、高いランクの商品を購入してもらうようにする手法のことです。
例えば、顧客が5万円のパソコンを検討している場合、「こちらの商品もおすすめです」などのようによりランクの高い商品を表示し、10万円のパソコンを購入してもらうようにします。つまり結果的に、当初よりも単価が5万円上がったことになります。
アップセルにおいて重要なのは、ただ単価の高い商品を提示するのではなく、品質面や機能面などにおいてもグレードの高い商品を提示することです。パソコンでいえば、メモリが4GBから8GBになる、CPUの性能が上がる、ディスプレイのインチが大きくなるなど、快適な作業環境を提供できるなら、値段だけではなくグレードが高い商品だといえます。
顧客が「こっちのほうが高いけど、クオリティ面でより満足できそう」と思って購入すれば、より良い買い物ができたという顧客体験の向上にもつながるでしょう。
このように、アップセルは事業者にとっては単価・売上を改善できる一方で、顧客にとっても顧客体験が向上する手段なのです。
なお、アップセルは基本的に既存顧客を対象としています。というのも、新規顧客が商品を購入する確率が5%〜20%であるのに対し、既存顧客の場合は60%〜70%だと言われています。また、既存顧客が初めてリピートする確率は27%ほどである一方、複数回の購入歴がある場合はリピート率が57%ほどまで上がるとされているのです。
このことからも、新規顧客よりも既存顧客のほうが、アップセルのアプローチ対象として適しているといえます。
アップセルとセットで考えたいのが、クロスセルです。クロスセルとは、検討中の商品とセットで別の商品も購入してもらうようにする手法です。
先ほどのパソコンの例でいえば、新しくパソコンを買うならパソコンを保護するためのケースや、保護フィルム、またUSBハブなど配線関連の周辺機材など、さまざまな関連商品があります。
せっかく良いスペックのパソコンを購入するなら、多くの人はできれば傷や汚れを付けたくないと思うでしょう。また、近年のパソコンにはUSB-Cポートしか搭載されていないものもあります。他のUSBを使用するにはハブが必需品です。このように、クロスセルでは「セットで購入しておくと快適」「セットで購入しないと不便」と思わせる商品を提案することになります。
アップセルと同様に、「この商品を購入した方はこんな商品も見ています」などの表示とともに関連商品への導線をつくることで、顧客単価の向上につながるのです。
全体の利益をアップさせるには、やはり新規顧客の獲得は必要です。しかし、顧客を獲得するには広告費やマーケティング費用、コンサルタント費用など、多くのコストがかかります。
一方で、アップセルやクロスセルは比較的コストを抑えながら、売上の向上が実現できます。新規顧客獲得よりも低コストで利益をアップさせるには、アップセルやクロスセルを活用することが重要な施策になるのです。
なお、コストを抑えて顧客単価を上げる、というのは後述するLTV/CACの考え方にもつながります。
レコメンド以外のマーケティングオートメーション(MA)やカスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)などのマーケティング手法についても知っておきましょう。
MAとは、マーケティングを自動化するためのツールで、顧客属性や流入頻度、閲覧ページをもとに見込み度合いを可視化できるため、顧客に最適な提案がしやすいです。
また、CRMとは顧客との継続的かつ良好な関係を作るためのツールです。購入後の顧客の行動をもとにマーケティング活動を最適化していきます。
例えば、他の商品の閲覧履歴や購入履歴のデータから、新しいニーズの喚起を行ったりをします。
レコメンド機能とMA・CRMを同時に活用することで、より精度の高いアップセル提案ができるでしょう。
レコメンドとは、顧客が過去に購入した商品や閲覧した商品のデータに基づき、おすすめの商品へと誘導する機能のことです。
前述のパソコンの例のように、類似した商品やセットで購入すると便利な商品が表示される、というのがレコメンドの代表的な機能といえます。つまり、アップセルやクロスセルを実現するには、レコメンドの活用が非常に効果的なのです。購買意欲を刺激するだけではなく、質の高い商品を購入してもらうためにも、顧客一人ひとりに合わせたレコメンドができるようなシステムを作ることが大切でしょう。
ECサイトにおいてレコメンドは、顧客単価を上げ、全体的な利益を向上させるために重要な施策の一つです。レコメンドの機能を適切に発揮するには、扱いやすく効果が見えやすいレコメンドアプリを導入するようにしましょう。
ECサイトにおいてレコメンドは、顧客単価を上げ、全体的な利益を向上させるために重要な施策の一つです。レコメンドの機能を適切に発揮するには、扱いやすく効果が見えやすいレコメンドアプリを導入するようにしましょう。
なお、アップセル・クロスセルを実現できる手法はレコメンドだけではありません。それぞれ、以下のような方法も考えられます。
【アップセルの方法例】
【クロスセルの方法例】
DeFactoryが作成しているレコメンドアプリ「PeecAI(ピークエーアイ)」は、一人ひとりのユーザーにパーソナライズされた体験を提供します。
PeecAIを使えばおすすめ商品の詳細ページが自動で生成されるので、サイト設計をレコメンド用にわざわざ変更する必要はありません。また、インストールしてサイトと連携するだけで利用できるため、難しい設定を行う必要はなく、10分程度で利用できるようになる点も大きな特徴です。
後述するLTV向上や新規顧客獲得につながるだけではなく、レコメンドによる成果は見える化されるため、PeecAIを導入することで精度の高いサービス設計の実現につながるでしょう。
【料金】
無料(2022年10月24日現在)
関連記事:Shopifyのレコメンドとは?メリット・デメリットとおすすめアプリ
LTVは「Life Time Value」の頭文字を取った言葉で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。顧客生涯価値を言い換えると、「顧客が生涯の間に支払ってくれる金額」です。
例えば、一度の買い物で5,000円使ってくれる顧客が、生涯の中で100回買い物した場合、LTVは50万円になります。このように、LTVを求める計算式は、次のように表せます。
LTVを向上させるには、顧客との関係を良好にし、購入回数を維持できるよう工夫が必要といえるでしょう。また、リピートを促すとともに、一回あたりの購買単価を上げることが重要です。したがって、アップセルを効果的に行うことでLTVの向上にもつながるといえます。
なお、LTVを考える際には、CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得単価)を併せて考えることも重要です。CACは、「1人の顧客を購入に至らせるまでにかかるコスト」を指し、以下の計算式で求められます。
一般的に、LTVをCACで割った数字(LTV/CACの比率)が、3以上であればビジネスとして順調な状況だと判断されます。
LTVやCACについての詳細は以下の記事で説明しているので、併せてご覧ください。
関連記事:Shopifyの集客で必要なLTV・CACとは?LTVを向上させるポイントを解説
アップセルはただ実施すれば良いというものでもなく、いくつかのポイントを考慮して行うことで、より効果的になります。具体的には、以下のポイントに気をつけましょう。
ただ単に値段の高いものを提示することが、アップセルではありません。肝心の商品のクオリティが低い場合、どれだけ高グレードのものをレコメンドしても購入には至らないでしょう。
アップセルを行うと言っても、1万円の商品を検討中の顧客に10万円のものを提示しても、価格差がありすぎて購買意欲が刺激されません。どのような点に価格差があるのか、具体的な理由や機能などの説明をしたうえで、適切な価格帯のものを提示することが大事です。
アップセル・クロスセルに適したタイミングは、「商品をカートに入れた時・決済に進んだ時」など、購入ステップへと一歩踏み出した時です。商品をただ閲覧しているだけのタイミングでアプローチしても、成功しにくいので注意してください。
また、購入完了後のサンキューページ(注文完了画面)も、アップセル・クロスセルを狙えるタイミングです。基本的にサンキューページは、商品の購入者が必ず見るページなので、「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」などのように、関連商品や類似商品が表示されると目に留まるでしょう。
提案する商品数が多すぎると、検討中の顧客はどれを購入すれば良いのか判断しにくくなります。最大でも3つにするなど、ある程度候補を絞った状態で提案することをおすすめします。
アップセルはShopifyなどのECプラットフォームにおいて、顧客単価を上げるために重要な施策の一つです。ただ値段が高いものを提案するのではなく、値段と品質に納得したうえで購入してもらうことで、その後のリピートにもつながります。
なお、アップセルを実施する際に有効なアプリの一つに、レコメンドアプリがあります。簡単に導入できて、Shopifyの売上向上に貢献するレコメンドアプリをお探しの場合は、DeFactoryの「PeecAI」を使ってみてください。
「PeecAI」のインストールはこちらまで